熱間加工再現試験(グリーブル試験)
熱間加工再現試験(グリーブル試験)とは
熱間加工再現試験は、実際の製造・加工のプロセスを模擬した加熱および冷却のプロセスを試験片に付与した際の、材料の冶金的および機械的な特徴を評価します。例えば、鉄鋼材料では溶融・凝固・熱間加工・制御熱処理等を駆使して所定の製品を製造します。本試験を用いて製造プロセスを模擬した熱間加工を行うことにより、ラボ的に新素材の評価を行うことが可能となります。
熱間加工再現試験(グリーブル試験)の特徴
- 加熱は通電もしくは高周波方式により、加熱速度の制御が可能です。また、冷却は不活性ガス(窒素ガスやヘリウムガス)を吹き付けることにより、冷却速度を制御することが可能です。
- 試験雰囲気は、真空あるいは不活性ガス雰囲気下での試験が可能です。これにより高温における過度なスケール発生を抑制することができます。
- 加熱・冷却・加工の複雑なプロセスは専用のソフトウェアを用いて設定することができます。
これら本試験の特徴は、一般的な加熱炉を用いた高温引張試験機では実現できない内容となります。
熱間加工再現試験(グリーブル試験)の適用分野
- 金属材料の製造プロセスを模擬した加工
例)部分的な溶融・凝固プロセスを含んだ脆化域評価試験
例)試作金属の製造プロセスを模擬した評価 - 溶接現象を模擬した再現試験
例)液体金属脆化割れ(LME; Liquid Metal Embrittlement)の発生状況を再現する試験
熱間加工再現試験(グリーブル試験)の原理
試験片の加熱は、試験片に制御用熱電対を1点つけ、通電もしくは高周波方式で抵抗発熱によって行いします。(ゆえに、試験片の材質としては通電が可能で鉄と同程度の抵抗を有する必要があります。)
加工は試験片の両端をクサビ式通電チャックとピンを介して試験機に固定し、チャックの動作によって引張変形を付与します。
装置仕様
- 温度範囲:室温~部分溶融する温度まで(鉄鋼の場合)
- 加熱・冷却速度:急加熱・急冷却が可能
- 加工速度:静的~高速領域
- 最大荷重:複数の容量を準備しております。
- 提出データ:荷重、クロスヘッド変位、温度の時刻歴データ
丸棒の場合、絞り値も提出可能です。
以下のようなデジタルデータを提出することも可能です。
サンプル仕様
- 標準試験片形状
-板状試験片
-丸棒試験片
※試験片形状については別途相談させて頂きます。 - 材質
鉄鋼材料
※鉄鋼材料以外の材質については加熱可能か確認試験をさせて頂く場合がございます。
参考技術情報
加工フォーマスター
高速、大ひずみ域までの評価をご希望の場合は加工フォーマスタを使用した圧縮試験も可能です。
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