二軸引張試験
実際の薄板のプレス成形では材料の変形が一軸方向応力ではなく、薄板平面内の直交する二軸方向の成分が存在します。そのような状況下における降伏応力を評価する二軸引張試験を紹介します。
二軸引張試験とは
材料に応力を加えた際に、応力を除いても元の形状に戻らない塑性変形がいつ生じるかを表すしきい値として、JIS規格では引張試験による降伏応力や0.2%体力が定義されています。ただし、規格における引張試験は、材料を特定の方向に対して一方向に引っ張る一軸引張試験です。ですが、例えば薄板のプレス成形で実際に材料が変形する際は、応力は一軸方向ではなく、薄板平面内の直交する二軸方向の成分が存在します。そのような状況下における降伏応力は、単軸引張試験のものとは異なるため、二軸引張試験で評価します。二軸応力下における降伏条件を数値解析に反映させるために、降伏関数を求める試験として活用いただけます。
二軸引張試験の原理・特徴
- 直交した二軸方向への引張試験。
- 引張荷重の比率は任意に設定。
- 各方向の応力‐ひずみ線図を測定。
- 降伏関数を求めるための等塑性仕事面の評価が可能。
降伏関数
二軸引張試験の適用分野
- 薄板成形における数値解析の基礎データ
- 製品の加工プロセスシミュレーション
(例:鋼管の造管プロセスにおけるひずみ付与)
装置仕様
- 最大試験力:100kN
- 試験片 :十字型試験片
- 速度制御 :荷重、ストローク
試験片形状
公的規格
- JIS Z2257 十字形試験片を用いる金属板材の二軸引張試験方法
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