電子材料の分析・解析Analysis of Electronic Materials
エレクトロニクス分野の主要製品である半導体デバイスにはロジック、メモリー、センサー、パワーデバイス、さらにLEDや太陽電池など様々な用途に向けた種類があります。
これらの半導体デバイスはSiウエハや化合物半導体ウエハを用い、その上に薄膜形成、パターニングやエッチング等の微細加工を繰り返し、微細で複雑な構造を作り上げます。これを半導体デバイスの前工程と呼び、ウエハ上に形成したのち1つ1つを切断してパッケージングやリードフレームを形成して電子部品として完成させる工程を後工程と呼びます。
近年、SDGsに関連して自動車のEV化や家電の省エネに活用される「パワーデバイス」が注目を集めています。パワーデバイスは電源を制御する半導体素子で、エンジンやモータの近くで高温に晒されたり、高電圧、大電流を扱うことが特徴です。
これまではSiを使った製品が使用され、改善されてきましたが、EVのインバータにSiCを使用すると、Siより高い電圧が使用できるため効率が向上し、航続距離が10%増えると言われています。現在、SiCの主なメーカーが近日中に生産を開始するべく大型基板の開発を進めています。また、GaNやGa2O3などの新素材の開発も国内メーカーにて精力的に進められ、さらに耐熱性、耐電圧性に勝るパワーデバイスの開発を目指しています。
-
- Siウエハ欠陥の評価
- Siウエハは国内企業が世界市場のシェアの半分以上を占めており品質も非常に高いですが、前工程において装置内や装置間の搬送時の機械的ダメ―ジや雰囲気からの汚染が製造歩留まりを下げる要因となります。当社が保有するX線トポグラフは搬送系でのダメージを非破壊で観測する数少ない手法の1つです。
- XRT
-
- 化合物半導体材料の分析
-
無線通信の拡大と高速化(5G)により、高周波を扱う半導体素子の需要も急増しています。そして、これらの高性能化においてもパワーデバイスと同様にSiC、GaN、Ga2O3などの化合物半導体が適用されています。データセンターも電力消費量が大きく、電源のパワーデバイスにこれら化合物半導体を採用することで消費電力が大幅に抑制されます。
化合物半導体はSiと比べ大型基板の製造に際し、欠陥や不純物の面で高度な制御や管理が求められます。よって、X線トポグラフ、高分解能ICP-MS、GD-MS等による欠陥評価や不純物濃度の分析ニーズは高いと思われます。 - ICP-MS GD-MS XRT ラマン分光法