デジタル画像相関法(DIC)

DIC:Digital Image Correlation

デジタル画像相関法(DIC)とは

材料や部品の強度特性を評価する際、一般的には加えている荷重とともに変形量も測定します。例えば、JIS規格における引張試験においては、試験片の評価部分全体の伸びを測定しています。ですが、試験対象物に強度分布や形状的な変形集中部位がある場合、空間的に細かく変形の分布を把握することが必要になるケースがあります。このようなニーズにお応えするために、3次元デジタル画像相関法(DIC:Digital Image Correlation)の原理を用いた立体的な試験体表面の変位・ひずみ分布コンター図を測定できるGOM社製のARAMIS(アラミス)が各種試験機と組み合わせて活用頂けます。

デジタル画像相関法(DIC)のカメラシステム外観


試験機外観

デジタル画像相関法(DIC)の特徴

デジタル画像相関法(DIC)の適用分野

デジタル画像相関法(DIC)の原理

明暗ランダム模様が塗布された試験体を2台のデジタルカメラで試験中に連続撮影します。3次元デジタル画像相関法(DIC:Digital Image Correlation)と呼ばれる原理を用いて、画像中の複数画素(例:19×19ピクセル)を1単位として、点座標を3次元空間上で特定します。試験体変形前後の画像より同一点の座標を得て、その点の変位および周囲の点の座標変化によりひずみを算出します。


測定イメージ

装置仕様

メーカー GOM GmbH
カメラ/ソフトウェア ARAMIS 2.3M, 4M, SRX/ARAMIS Professional
カメラ解像度 1936x1216 pixels, 2352×1728 pixels, 4096x3068 pixels
測定範囲 10×7mm ~ 1000×730mm
*レンズ、撮影距離に応じて可変
※動的な現象に対応するために、高速度カメラによる撮影も可能です。
高速度カメラの仕様については別途ご相談ください

デジタル画像相関法(DIC)の事例

事例1;板状試験片の引張試験における破断直前のひずみ分布

板状引張試験片が破断する直前のひずみ分布をコンター図で表現しています。 中央が破断に至りますが、局部的な大ひずみの状況が可視化されています。 指定したライン上のひずみ値をグラフとして得ることもできます。 また、座標とひずみ値の組でマッピングデータも出力できます。

ひずみ分布のコンター図


板状試験片の引張試験における破断直前のひずみ分布

事例2;スポット溶接された引張試験片のひずみ分布

ひずみがスポット溶接部周辺に集中する様子をコンター図で可視化できています。試験片は曲げ加工された薄板を溶接したもので、撮影は試験片を斜め上から行っていますが、3次元空間のデータとしてひずみ分布を測定できています。

ひずみ分布のコンター図


スポット溶接された引張試験片のひずみ分布

事例3;ハット材の落錘試験時ひずみ分布

ハット材のひずみ分布を落錘試験と組み合わせて評価した事例です。測定は様々な機械試験と組合せて行うことができます。高速度カメラと組み合わせることで、動的試験の評価も可能です。

ひずみ分布のコンター図


ハット材の落錘試験時ひずみ分布

参考技術資料

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