ねじり疲労試験

ねじり疲労試験とは

ねじり疲労とは、材料のねじりに対する強さや、ねじり変形に対する抵抗を調べる試験です。材料の一端を固定し、材料中心線を軸にしてねじりを加えて評価します。
評価方法は、主に静ねじり試験とねじり疲労(繰返しねじり)試験の2種類があります。静ねじり試験は、材料に一定方向のねじり負荷を与え、材料が破損する時の最大トルクと角度を求めます。ねじり疲労試験は、材料に繰返しねじり負荷を与え、せん断応力と破損繰返し数との関係を求めます。

ねじり疲労試験の適用分野

 

1. 大型ねじり疲労試験装置

油圧サーボ疲労試験機は静的最大トルク30kN・mまで可能です。

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最大トルク容量
    静的 ±30.0kN・m
    動的 ±24.0kN・m
最大角度:±50deg
制 御:トルク制御,角度制御
試験速度:最大50Hz迄
*試料の材質や形状により変動します。
試料長さ:1000mm迄

 

2. 縦型ねじり疲労試験装置

縦型の油圧サーボ疲労試験機は実部品まま取り付けが可能です。

最大トルク容量
    静的 ±7.0kN・m
    動的 ±5.0kN・m
最大角度:±50deg
制 御:トルク制御,角度制御
試験速度:最大20Hz迄
*試料の材質や形状により変動します。
試料長さ:1000mm迄
*定盤に部品を設置しそのまま試験する事も可能

3. その他のねじり疲労試験装置

試験片の取付ける方向でねじり、曲げ疲労試験が可能です。

(1)曲げ・ねじり試験装置

トルク容量
    動的 ±50N・m
    角度 ±10/100rad
試験速度 2000rpm(33Hz)
試料長さ 400mm
その他 主に試験片形状
薄板平面曲げ疲労試験対応可能

 

(2)共振式ねじり疲労試験装置

共振型ねじり疲労試験機は油圧サーボ試験機よりも高速に試験が可能です。

トルク容量
    動的 ±10kN・m
    角度 ±10deg
試験速度 max33Hz
試料長さ 800mm
その他 試験速度は試験体のねじり剛性とフライホィールの慣性モーメントで決まる

サンプル仕様

1)試験片形状一例(平行部φ8)

 

2)駆動系部品例

駆動軸(プロペラシャフト)

 

3)実部品例(ねじり試験)

実部品例(ねじり試験)

ねじり疲労試験の事例

事例1;静ねじり試験によるトルク角度線図の取得

静ねじり試験では、トルク-角度線図のデータ取得が可能です。
下図では、対象試料をねじり負荷し破損するまでのトルクとねじり角度を示しています。
実体品の場合、損傷位置などが確認できます。


静ねじり試験によるトルク-角度線図

ねじり疲労試験では、対象試料のねじり疲労強度線図の取得が可能です。
ねじり疲労強度線図は、一定トルクを繰返し負荷した時に破損した回数をプロットした図になります。下図より、トルク900N・mでは80000回で破損したことになります。
また実部品の場合、損傷位置等の確認ができます。


ねじり疲労強度線図

参考技術資料

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