引張試験

引張試験とは

引張試験により求められる引張強度は、鉄鋼材料をはじめとする各種金属材料の最も基本的な特性値です。商取引される鋼材にはほぼ、材料の化学成分とともに、引張試験結果が添付されています。引張試験より求められる引張強さ、降伏点、伸び、絞りからは、設計指針となる材料の強度とともに、塑性変形のしやすさなど靱性に関連する特性も含まれています。

当社は各種引張試験機を保有しており、JIS規格をはじめとした規格に基づく試験はもとより、非定型形状による試験片を用いた試験も実施します。

引張試験機(万能試験機)外観と引張試験片

各種引張試験機

引張試験には高精度に試験力や変位を計測できる万能型試験機が用いられます。
万能型試験機は引張試験のほか、適切な治具を用いることで、圧縮試験、曲げ試験、せん断試験や破壊靱性試験など様々な材料試験を行うことができます。

大型や高強度の材料には油圧式の万能試験機(容量1000kN~4000kN)を用います。より大荷重の試験には横型の大形引張試験機(容量 最大80MN)を用います。横型の大形引張試験機はESSO試験など、厚板の脆性き裂伝ぱ停止特性評価試験にも用いられます。

冷却槽や高温炉を取り付けた引張試験機は低温や高温など様々な環境下での試験が可能です。

引張試験の適用分野

装置仕様

試験機 容量 温度
万能試験機(電気機械式) 20kN~500kN -196°C、-180°C~1100°C
万能試験機(油圧式) 1000kN~4000kN  
横型試験機(油圧式) ~80MN  

引張試験による材料評価例

試験片に伸び計をつけ、試験力-変位曲線を採取後、応力-ひずみ曲線(S-Sカーブ)に変換します。試験機は万能試験機(電気機械式や油圧式)が使用されます。S-Sカーブ採取例も示します。

引張試験概念図

S-Sカーブの例

(a)軟鋼など;降伏点を示すもの
(b)高張力鋼など:降伏点を示さないもの

公的規格

JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
ASTM E8、ASTM A370
ISO6892-1

参考技術資料

関連する技術

関連する分類

ページトップ お問い合わせ