ナノフォーカスX線CT
ナノフォーカスX線CTとは
ナノフォーカスX線CTとは、極めて小さな焦点サイズのX線源を使用して、対象物の内部を高分解能で三次元観察・解析できる非破壊検査装置です。
電子部品、電池材料、複合材料開発において、サブミクロンレベルでボイド、異物、層間剥離などの詳細観察が可能です。
ZEISS VersaXRM 730(超高分解能X線CT)
マイクロフォーカスX線CTとナノフォーカスX線CTの違い
- 1.分解能のレベル向上で詳細観察が可能
※ナノフォーカスX線CTの分解能;約0.45μm~25μm (cf.当社保有マイクロフォーカスX線CTの分解能;約45μm~500μm)
2.ZEISS社独自の技術により高分解能時の試料サイズ制約の緩和
※高分解能観察時の試料のサイズ 例:リチウムイオン電池(Alラミネートセル)厚さ1mm×縦60mm×横60mm
3.高感度検出器とエネルギーフィルターによる軽元素材料のコントラスト改善
※半導体、電池、樹脂やセラミックスなど軽元素材料に対して、微細な構造やボイド(空隙)の識別が可能に
ナノフォーカスX線CTの特徴
ZEISS VersaXRM 730 の最大の特徴は、RaaD(Resolution at a Distance :距離に依存しない解像度)により、大きな試料でもサブミクロンの分解能が維持できることです。
通常のX線CTでは、高分解能を得るために試料をX線源に極限まで近づける必要があります。
そのため、試料を数mm程度まで小さくする必要がありました。
本装置ではZEISS社独自のRaaD光学系を採用しており、試料をX線源から離した状態でも高分解能を維持できます。
従来の幾何学的拡大にプラスして、X線を可視光に変換して光学対物レンズで2段階で拡大する仕組みとなっています。この2段階拡大(光学対物レンズ)により、サンプルが大型で光源に近づけられない場合でも、450 nmという高いサブミクロン分解能を維持できます。
装置仕様
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ナノフォーカスX線CT |
マイクロフォーカスX線CT |
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メーカー |
ZEISS |
ヤマト科学 |
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型式 |
Versa XRM 730 |
TDM3000H-FP |
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試料サイズ |
高さ100mm以下 |
高さ300mm以下 |
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分解能(Voxelサイズ) |
0.35~25μm |
12.6~125μm |
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出力 |
30 ~ 160kV×25W |
30 ~ 300kV×15W |
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透過力 |
鉄(1mm)/アルミ(5mm) |
鉄(40mm)/アルミ(200mm) |
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適用先 |
半導体、電池、樹脂(~100mm角)、金属薄膜(厚さ:~0.5mm) |
大型試料(~250mm角)、金属片/ブロック、機械部品 |
分解能と観察部サイズ
ナノフォーカスX線CTを用いた評価事例
事例1:リチウムイオン電池電極の高分解能観察
リチウムイオン電池電極の高分解能観察による評価例を示します。
3Dイメージデータでは粒子が壊れている状況(約1μm幅の粒内のき裂)が確認されました。また3D粒度解析結果から、負極粒径の分布は大小二つの粒径領域に分かれるバイモーダル傾向が認められました。
リチウムイオン電池の電極の構造
電極材料の存在状態を1μm以下の分解能で観察可能
粒子の3次元データ解析
電極活物質の3次元データによる粒径分布の解析
事例2;リチウムイオン電池電極の異物調査
リチウムイオン電池電極の断層観察例を示します。
3次元断層観察することにより、異物の位置や形状が非破壊で観察可能です。試作品の性能評価前の確認、不具合品の原因究明等に活用が可能です。
断層画像による異物の確認
3次元方向の観察による、異物や生成物の確認
断層観察の動画
事例3:リチウムイオン電池の充放電に伴う電極構造変化
コインセル型リチウムイオン電池の充電前後の観察例を示します。
充電により負極が膨張する現象が明瞭に観察でき、電池の開発に向けた知見を得ることができます。