集束イオンビーム加工(FIB)

FIB:Focused Ion Beam

集束イオンビーム加工・観察とは

集束イオンビーム装置(FIB:Focused Ion Beam)は、試料の微細加工・観察を行う装置です。主に透過電子顕微鏡(TEM)の薄片試料作製のために利用されます。走査電子顕微鏡(SEM)を搭載したFIB-SEM複合装置では、TEM薄片作製のほか、特定箇所の断面加工・観察や三次元観察が可能です。

FIBの加工・観察イメージ

集束イオンビーム加工 FIBの原理と特徴

集束したイオンビームを試料に照射してスキャンさせることで、二次電子像の撮影やスパッタリングによる試料加工が行えます。次のような特長があります。

FIBによるTEM試料作製の手順


1)像を見ながら加工位置を決めます

2)周辺部分を削り、試験片を作ります

3)マニピュレータ―を試験片に設置

4)試験片をピックアップします

5)TEM用のグリッドに置き換えます

6)薄片加工して、TEM観察試料にします

適用事例・適用材料

【適用事例】

【適用材料】

装置仕様

FIB イオン源 Ga液体金属イオン源
加速電圧 1~40kV
SEM 検出信号 二次電子、反射電子、走査透過電子(STEM)
加速電圧 0.5kV~30kV
その他機能 エネルギー分散型X線分析(EDS)
試料大気非暴露冷却(Min-140°C)
導入可能試料サイズ φ32mm × H20mm(通常加工時)
最大φ3mm未満(非暴露冷却加工時)

※その他クライオFIB装置、プラズマFIB-SEM装置などを所有しています


FIB-SEM装置外観

集束イオンビーム加工 FIBの事例

断面試料の作製事例(Zn-Al-Mg系めっき)


Zn-Al-Mg系めっき鋼板のFIB断面加工(SEM観察)

参考技術資料

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