レーザー受託試験/レーザー加工システムの開発・販売

レーザー受託試験とは

高出力の半導体レーザ、ファイバレーザ、CO2レーザ等の高エネルギ密度熱源と延べ50年に及ぶ豊富な研究開発知見を駆使し、適切な手法を提案、熱処理、焼入れ、クラッディング、溶接、切断、穴加工等、お客様のモノづくり技術のブレークスルーに繋がるレーザ加工試験を行います。
更に、鉄鋼プロセスに培った長期実用に耐える装置知見を駆使し、お客様のニーズに最適化したレーザ加工システムをご提案し、光学設計、電気・機械回りの設計をはじめ、装置製作、メンテナンスまでフルターンキー対応いたします。

1.レーザ焼入れ試験

レーザ焼入れはレーザ照射によって瞬時に表面を加熱し、伝導を通じて材料に浸透しますが材料の大部分は、表面から熱を抽出するためのヒートシンクとして機能します。
短い温度サイクルによる高硬度の微細結晶粒組織(マルテンサイト)が形成され、局所的な焼入れに最適な方法です。

(1)矩形ビームによる丸棒のレーザ焼入れ

 

【試験体】鋼種;S45C 形状;φ30mm
【照射条件】
・ビームサイズ 4.5×13mm
・レーザーパワー 7000W
・走査速度 6mm/秒

(2)矩形ビームによる平板のレーザ焼入れ

2.レーザクラッディング

レーザクラッディング(肉盛り溶接)とは、積層材料の粉末を供給しながらレーザ照射によって母材金属との溶接を行うもので、従来の粉体プラズマ溶接に比べ加工時間が短く、積層材料の溶け込み深さが少なく、細かく、細孔や亀裂のないコーティング技術です。
お客様のニーズに合わせた様々な材料、形状に合わせた試験に対応いたします。

(1)矩形ビームによる丸棒のレーザクラッディング

 

【試験体】鋼種;SS400 基材形状;φ30mm
【積層材料】Ni基 PC-4 粉体
【照射条件】
・ビームサイズ 19×5mm
・レーザーパワー 6000W
・走査速度 10mm/秒

(2)矩形ビームによる平板のレーザクラッディング

3.レーザ溶接

従来は不可能であった板厚0.05~0.5mmの極薄鋼板のレーザーによる突き合せ溶接を、レーザー照射法の最適化により、無欠陥、かつ優れた機械的特性で、さらに安価で高速で行います。

●技術内容

  1. レーザー溶接法の特徴である、非接触・高速溶接と優れた機械的特性を実現します。
  2. レーザービームのスポット径を大型化(板厚の2倍以上、もしくは付き合わせギャップの10倍以上)とし、溶接欠陥の原因となるレーザープラズマの発生を低エネルギー密度でコントロールします。
  3. 大型化したレーザースポット径により、突き合わせ精度の緩和を行い、拘束治具の簡素化により周辺設備の低コスト化を実現します。

●応用分野

家電製品の電磁鋼板、および薄手のステンレス鋼板の接合、そして、これらの連続製造ラインでのコイル継ぎ溶接 などに適用できます。

(1)ステンレス薄板の突合せ溶接

【試験体】基材:ステンレス1mmt
【溶接条件】溶接速度 : 3.5 m/min

(2)ビードオンプレートによる深溶込み

【試験体】基材;SS400
【照射条件】
・ビームサイズ φ750μm
・レーザーパワー 8500W
・走査速度 1~60m/min

(3)レーザー主要設備

レーザの種類 名称 主な仕様
最大出力(kW) 波長(μm)
半導体レーザ LASERLINE社
 LDF8500-60型
8.5 0.9~1.1
COHERENT社 CompactEvolution1200XL型 1.2 0.9
ファイバーレーザ IPG社 YLR-100型 0.1 1.07
炭酸ガスレーザ 日酸TANAKA社
 LMXVII-TF6000型
6 10.6
COHERENT社
 GEM-100型
0.1 10.6

レーザー周辺機器

ビームモードアナライザ PRIMES Beam/FocusMonitor レーザービームの空間エネルギー強度分布を測定する装置。
加工点でのビームプロファイルを解析可能。
加工用ロボット 安川電機製 DDLやファイバーレーザーを搭載可能で、ティーチング機能により曲面形状へのサンプル加工が可能。
精密加工テーブル ストロークは50~1500mm、位置精度は1~5μm、微細加工が可能。
ワイヤー供給装置 ダイヘン製 φ0.6~1.2mm
パウダー供給装置 SulzerMETCO社 5MPE型 流量制御ユニット含む。
加熱炉 供試材の加熱が可能。
パイロメータ Mergenthaler社LPC04型 2色、800-1500度

(4)半導体レーザ詳細

●LDF8500-60

 

最大出力:8500W
波長:0.9~1.1 μm
モジュール式:内部または外部冷却システムを選択可能
明瞭化するためにすべてのシステムデータ(レーザ、光学系、ファイバー)を提供
高い電気効率:最大50%
実践で証明されたアクティブ半導体レーザ素子冷却技術
全システム部品の内部ネットワーク化
故障時のリアルタイム診断
従来のシステムと互換性のあるインターフェース

項目 名称 仕様
半導体レーザ LASERLINE社LDF8500-60型 最大出力8.5kW、波長0.9~1.1μm
伝送ファイバ 600ミクロンファイバ コア径φ600μm、長さ10m、NA0.22、
LLK-Dコネクタ
焼入れ用光学系 OTZ-5型ズーム光学系(1軸) 可変ライン(13mm×L)f200 L=5~58mm
パイロメータ Mergenthaler社LPC04型 2色、800-1500度
肉盛り用光学系 OTS-5型矩形ビーム光学系 ビームサイズ19mm×5mm
矩形ビーム用クラッドノズル、フラウンホファ製COAX11型 WD29mm、粒子45~90μm
モニタ付きカメラ 2軸用 CMOS
パイロメータ Mergenthaler社LPC04型  2色、800-1500度
粉体供給装置SulzerMETCO社 5MPE型  流量制御ユニット含む
溶接用光学系 Precitec社 YW52型 ビームサイズφ750μm

●COMPACT EVOLUTION 1200XL

 

● 最大出力:1200Wの水冷式
● 波長:980nm
● パフォーマンスレベル "e "の電源を内蔵※1
● アナログとデジタルのユーザーインターフェース(レーザーコントローラー)
● ログ機能とE-Service※2を備えたDLCコントローラー
● BUSインターフェースも利用可
※1 パフォーマンスレベルとは国際規格ISO13849-1で規定された安全性能の指標、5段階(a~e)あり、eが最も安全性能が高い
※2 E-Service : インターエネットを通じた装置管理サービス

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