鉄筋腐食センサー
鉄筋腐食センサーとは
鉄筋腐食センサーは、コンクリート構造物の鉄筋の腐食程度を推定するため、鉄筋の自然電位、見掛けの鉄筋の分極抵抗、見掛けのかぶりコンクリートの抵抗を測定する装置です。
鉄筋の腐食診断には、見掛けの鉄筋分極抵抗(Ω)から真の鉄筋の分極抵抗(Ω・cm2)、見掛けのコンクリート抵抗(Ω)からコンクリートの電気抵抗率(Ω・cm)へ変換する必要があります。弊社では、本装置の販売だけでなく、電流分布シミュレーションによる測定データ解析により精度の高い鉄筋腐食推定解析や本装置を使用した現場での測定作業も承っています。
鉄筋腐食センサーの特長
- コンクリート構造物内の鉄筋を現場で測定可能
本装置により、コンクリート構造物中の鉄筋の自然電位(Ecorr)、見掛けの鉄筋の分極抵抗(Rp)、見掛けのかぶりコンクリートの抵抗(Rs)を現場で測定可能です。 - 弊社従来機種より小型・軽量化
ハンドリング性を向上しました。専用ソフトケースに入れて首からぶら下げながら測定できます。 - 測定データを内部メモリーに記録可能
USBポートを搭載し、csv形式でPCにデータ転送できます。 - 液晶ディスプレイ表示
同時に下記12項目を表示できるようになりました。
1)測定開始時の自然電位、 2)測定開始後に変化した自然電位、 3)高周波数での測定値、4)高周波数の周波数、 5)低周波数での測定値、 6)分極電位、 7)低周波数の抵抗レンジ、 8)高周波数の抵抗レンジ、 9)低周波数の周期、10)測定繰返し回数、 11)トータル分極時間、 12)トータル測定時間 - LEDバックライト搭載
LEDバックライトを搭載し、視認性を向上させました。 - ソフトケースに入れたまま操作可能
本体の操作、ケーブルの接続、電池交換等をケースに入れたまま可能です。 - リチウムイオン電池搭載
リチウムイオン電池を搭載し、充電はUSBケーブルで行います。乾電池でも使用可能です。
鉄筋腐食センサーの用途
- 現場での測定:コンクリート構造部に配筋された鉄筋の腐食状況の推定
- 試験体での測定:コンクリート、モルタルの材料開発時の鋼材の耐腐食性評価、促進腐食試験体の鋼材の腐食状況の推定
装置仕様
機器構成
1.装置本体
2.基準電極(Ag/AgCl)
3.作用極用ケーブル
4.USBケーブル
5.コンクリート用プローブ(別売)
6.専用ソフトケース(別売)
鉄筋腐食センサーを活用した調査事例
(1)現場での測定方法例
はつり出した鉄筋にケーブル(作用極)を接続し、コンクリート表面にプローブを設置させ、プローブ下面の対極から内部の鉄筋に向かって微弱な周波数の異なる交流電流を流した時の電位変動を測定します。
高周波数で見掛けのかぶりコンクリートの抵抗、低周波数で見掛けの鉄筋の分極抵抗を測定します。
(2)試験体での測定方法例
コンクリート中に鉄筋ならびに鉄筋と平行に2本のステンレス棒を配置した試験体を製作します。装置に付属している4色ケーブルを使用して鉄筋直上のコンクリート表面に基準電極を設置し、赤色のケーブルをステンレス棒に接続します。
ステンレス棒から鉄筋に対して測定電流を流した際の鉄筋の電位変動をコンクリート表面の基準電極で測定します。この時、鉄筋の表面の電流密度分布はほぼ一定となりますので、測定値である見掛けの鉄筋の分極抵抗(Rp)と鉄筋表面の面積を乗じることで真の鉄筋の分極抵抗を算出することができます。