インデンテーション法によるオンサイト材料特性評価
インデンテーション法によるオンサイト材料特性評価とは
インデンテーション法によるオンサイト材料特性評価とは、材料表面から微小圧子を圧入して得られた荷重と押込み変位の関係から材料の引張特性を推定する評価方法です。可搬型システムであるため、現場・現物、準非破壊で材料評価が可能です。
インデンテーション法によるオンサイト材料特性装置の外観
インデンテーション法によるオンサイト材料特性評価の特徴
- 庄子を押込む際の荷重と変位の関係から圧痕の大きさを推定するため、光学的な形状測定が不要になります。
- 現場・現物で測定が可能です。
- 材料の局所的な特性を評価することが可能です。
インデンテーション法によるオンサイト材料特性評価の適用分野(用途)
- インフラ分野
例)老朽化した鋼構造物の実強度把握 - 製造全般
例)一品毎の精緻な強度把握
(※ただし破壊試験を実施してデータベース構築が必要)
インデンテーション法によるオンサイト材料特性評価の原理
除荷過程を含んだ押込み試験で得られる荷重と変位の関係から実際の圧子接触半径を推定し、真応力と真ひずみの関係を推定します。
以下に荷重と変位の関係と真応力真ひずみの関係を示します。
装置仕様
型名 | AIS-3000HD | |
荷重容量 | 120kgf | |
変位容量 | ~20mm | |
圧子 | 0.5φ球圧子 | タングステンカーバイト製 |
ビッカース圧子 | 先端ダイヤモンド | |
解析ソフト | メーカー純正解析ソフト |
サンプル仕様
ラボ測定の場合
30mm×30mmのサイズで厚さ3mm以上
測定面は#400~鏡面仕上げ
現地測定の場合
測定環境や測定対象の形状などヒアリングさせて頂きます。
測定対象に合わせて治具の作成が必要となりますので
インデンテーション法によるオンサイト材料特性評価の事例
事例1;一般的な鋼材の機械特性
引張試験で求めた降伏応力(下降伏あるいは0.2%耐力)に対して±15%以内で推定可能です。
事例2;対外発表例
- 1)松岡賢樹 他, :非破壊検査による鋼構造物の強度評価手法に関する報告(第一報) ―室内検証による IIT 試験の計測条件の整理―, 電力土木技術協会, 電力土木 No 414, pp.8-12, 2021.7
- 2)松岡賢樹 他, :非破壊検査による鋼構造物の強度評価手法に関する報告(第二報) ―IIT 試験の現地適用性検討―, 電力土木技術協会, 電力土木 No 416, pp.51-54, 2021.11
公的規格
- ISO/TR 29381 Metallic materials – Measurement of mechanical properties by an instrumented indentation test – indentation tensile properties
参考技術情報
- 装置メーカー:Frontics
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