塗膜劣化診断
塗膜劣化診断とは
橋梁等の鋼構造物の塗膜は劣化が進行していくと、塗膜のイオン透過抵抗値が低下することが知られており、鋼構造物に施されている塗膜の劣化度を電気化学的手法により評価いたします。現地ならびにお預かりしたサンプルの測定を実施しております。
塗膜劣化診断の特徴
- 目視では検出が困難なごく初期の劣化段階でも、塗膜劣化を検出することができます。
- その場で迅速に測定し、定量的な評価が可能です。
塗膜劣化診断の適用分野
- 鋼構造物一般(橋梁、船舶、鉄塔、車両、タンク、倉庫 など)
塗膜劣化診断の原理
塗膜劣化センサーのプローブを鋼材塗装面に接触させ、プローブと被測定鋼材との間に交流電圧を印加します(図1)。その時の等価回路は図2のように表現できます。
これらのパラメータの中でイオン透過抵抗Rfが塗膜劣化状況と密接な関係にあることを見出しました(表1)。このRfを測定することによって塗膜劣化度を知ることができます。
塗膜劣化診断の測定法
測定実施例
測定方法とプローブの構造
塗膜抵抗測定時の等価回路
イオン透過抵抗Rfと塗膜劣化の関係
装置仕様
- 測定範囲:1Ω~2GΩ
- 測定精度:±10%(標準試料に対して)
- 電源:AC100Vまたは単一乾電池4個)
- 本体寸法:220mmW×110mmH×250mmD
- プローブ寸法:外径60mm×20mmH(標準品の場合)
- 総重量:約2.5kg
*現在は装置の販売をしておりません。
塗膜劣化診断の事例
事例1;鋼橋の塗膜調査
鋼橋新設時の塗膜調査を実施することで、所定の品質で施工されているかを確認することができます。
関連する技術
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- フェーズドアレイ超音波探傷
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