コンクリート劣化診断
コンクリート構造物の劣化診断とは
コンクリート構造物の劣化は、コンクリートの損傷、有害物質の浸透、鉄筋(鋼材)の腐食が主な原因となります。劣化原因の推定や現状の劣化度を評価するために各種調査を実施いたします。
コンクリート構造物の劣化調査の適用分野
鉄筋コンクリート構造物全般
建築物、土木構造物、プラント等
鉄筋コンクリート構造物の劣化調査手法
1. コンクリートコアの採取、はつり、ドリル削孔粉による調査
- コンクリートの物性評価
圧縮強度、静弾性係数の測定、アルカリシリカ反応 - 中性化深さ測定
コンクリートコア側面、はつり面、ドリル削孔粉にフェノールフタレイン溶液を噴霧して中性化深さを測定 - 塩化物含有量試験
コンクリート粉砕粉、ドリル削孔粉を用いた電位差滴定法
コア側面を用いた蛍光X線による測定 - EPMA
C、Cl、S、Si等の元素マッピング
2. コンクリートのひび割れ深さの測定
- 超音波によるひび割れ深さの測定
3. 変位、ひずみ測定
- 変位計、ひずみゲージによる測定
4. 鉄筋(鋼材)の評価
- 鉄筋探査
電磁波レーダー法、電磁誘導法、X線透過法による配筋状態の調査 - 鉄筋腐食調査
鉄筋の自然電位、コンクリートの電気抵抗率、鉄筋の分極抵抗の測定 - はつり調査
かぶりコンクリートのはつりにより鉄筋を露出させてかぶり厚さ、鉄筋径、腐食状況の目視調査を実施
コンクリート構造物の劣化調査の事例
事例1;EPMAによる元素マッピング
腐食した鉄筋周辺のコンクリートのEPMA結果を示します。
鉄筋腐食部周辺のコンクリート中のFeとOの濃度が高く(酸化鉄)、鉄筋とコンクリートの界面にClが濃縮していることがわかります。
事例2;ハンドヘルド型蛍光X線分析装置を用いたコンクリート側面の塩化物含有量測定
採取したコンクリートコアの側面を用いて塩化物イオンの浸透程度を測定することができます。従来手法である電位差滴定のように試料を粉砕することなく、薬品も使用せずに簡易、迅速に測定することができます。測定後のコンクリートコアを別の試験(圧縮強度、割裂試験等)に再利用できますので、現場での試料採取量の削減につながります。
関連する技術
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- 超音波自動探傷による微小きずの検出
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