ドローンを利用した設備点検
ドローンを利用した設備点検とは
老朽化したプラント設備やインフラ関連設備の保守点検のためにドローンによる画像撮影に加えて、鋼板の残存厚さを測定する技術を開発しています。高所でも足場レスで厚さ測定が可能となるため、検査コスト削減とともに高所作業に伴う災害リスクの低減も可能です。
ドローンを利用した設備点検の適用分野
- 製鉄所やプラントの設備点検
- インフラ関連設備の点検
ドローンを利用した設備点検の原理
ドローンに搭載した各種カメラやセンサにより設備の点検を実行します。現在は以下の2つの評価が可能です。
- 1)画像撮影による異常診断
・可視光カメラやサーモカメラを用いて、可視画像による腐食部の検出や熱画像による設備の異常発熱部を検出可能です。 - 2)厚さ測定
・超音波厚さ計により設備に使用されている主に鋼板の厚さを遠隔で測定します。
腐食による減肉が評価可能です。
装置仕様
ドローン本体 | 離陸重量 | 約8kg | |
最大飛行時間 | 40分 | ||
耐風速 | 12m/s | ||
電波仕様 | 2GHz帯(国内技適有り) | ||
カメラ | 可視光カメラ | 分解能 | 5184×3888ピクセル |
サーモカメラ | 分解能 | 640×512ピクセル | |
測定レンジ | -40°C~550°C | ||
厚さ測定器 | 超音波探触子 | 周波数 | 2.25、3.5、5MHz |
分解能 | 0.1mm、0.05mm | ||
動作温度 | -10°C~50°C | ||
測定可能風速 | 0~5m/s | ||
測定方向 | 水平方向 |
ドローンを利用した設備点検の事例
(1)可視光画像と熱画像の採取
- 可視光画像と熱画像を同時に撮影可能です。
- 設備や装置の異常や故障による異常発熱部を検出することで維持管理に役立ちます。
(2)超音波厚さ計搭載ドローンによる遠隔板厚測定
- 超音波厚さ計を搭載したドローンにより高所でも足場を組むことなく厚さ測定が可能となり、検査コスト削減に効果があります。
- 高所作業による災害リスクも軽減可能です。
公的規格
- JIS Z 2355-1 非破壊試験ー超音波厚さ測定ー 第1部:測定方法
関連する技術
- オンサイト材質調査
- 超音波自動探傷による微小きずの検出
- 非破壊検査(NDI)・計測サービス
- インデンテーション法によるオンサイト材料特性評価
- フェーズドアレイ超音波探傷
- 配管詰まり診断 スケールチェッカー
- 熱交換チューブの内厚測定 (IRIS)
- 塗膜劣化診断
- 残留応力のオンサイト測定
- 高温炉内観察(高温カメラ)
- 鋼管柱(パンザマスト等)検査
- コンクリート劣化診断
- 鉄筋探査(コンクリート構造物の鉄筋配置の調査)
- TOFD法によるき裂指示高さの測定
- 開口合成UT