ガス腐食
ガス腐食試験とは
ガス腐食試験とは、車載電子機器、めっき部品、コネクター類等の腐食性ガス環境における耐久性を評価する試験です。当社ではSO2、H2S、NO2 、Cl2 、O3の単独および混合した雰囲気での試験を行うことが可能です。
自動車の電動化により、実環境の腐食現象の再現するppbオーダーの低濃度混合ガス腐食試験(JIS C 60068等の規格試験)が注目されています。 その他、IEC、ISO、JIS等の規格に準拠した腐食試験も受託いたします。
装置の外観と槽内
フロー式ガス腐食試験機(KG200ST)
定流量フロー形ガス腐食試験機(GH-180)
ガス腐食試験の特徴
- 5種ガス(H2S、Cl2、NO2、SO2、O3)の単独および混合ガス腐食試験が可能
- 実環境に近いppbレベルの腐食性ガス濃度の制御も可能
- ガス腐食試験中の部品の通電確認も可能
ガス腐食試験の適用分野(用途)
- 電子部品、機器
- ゴム
- プラスチック
ガス腐食試験の原理
試料を試験槽内に設置し、試験槽内の温湿度制御、ガス濃度制御を行うことで実環境に近い条件下で劣化促進試験を行います。
装置仕様
フロー式ガス腐食試験機(KG200ST)
メーカー | ファクトケイ株式会社 |
温度 | 25~65°C |
湿度 | 60~95%rh |
濃度範囲 |
H2S:10~150ppb、5~30ppm |
槽内寸法 | 幅470mm×奥行500mm×高さ560mm |
試験槽入口寸法 | 幅440mm×高さ440mm |
定流量フロー形ガス腐食試験機(GH-180)
メーカー | 株式会社山崎精機研究所 |
温度 | 20~50°C |
湿度 | 75~95%rh(25°C以上) 50~95%rh(40°C以上) |
濃度範囲 |
H2S:5~250ppb |
槽内寸法 | 幅500mm×奥行500mm×高さ700mm |
試験槽入口寸法 | 幅350mm×高さ430mm |
耐荷重 | 20kg |
サンプル仕様
- ・槽内に入るサイズであれば試験可能
※試験片形状およびガス濃度については、ご相談ください
ガス腐食試験の事例
事例1;銅試験片のガス腐食試験
銅試験片をJIS C 60068-2-60(Metod-4)の試験条件下で暴露させた際の試験前後の外観写真になります。その他、試験前後の質量測定、腐食生成物の分析等の評価も実施しておりますのでご相談ください。
公的規格
・JIS C 60068-2-60 環境試験方法-電気・電子-第2-60部:混合ガス流腐食試験(試験記号:Ke)
試験規格 | ガスの種類と濃度(ppb) |
温度 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|
H2S | Cl2 | NO2 | SO2 | |||
JIS C 60068-2-60 環境試験方法- |
Method1 | 100±20 | ー | ー | 500±100 | 25±1°C 75±3%rh |
Method2 | 10±5 | 10±5 | 200±50 | ー | 30±1°C 70±3%rh |
|
Method3 | 100±20 | 20±5 | 200±50 | ー | 30±1°C 75±3%rh |
|
Method4 | 10±5 | 10±5 | 200±20 | 200±20 | 25±1°C 75±3%rh |
・JIS H 8502 めっきの耐食性試験方法
試験規格 | ガスの種類と濃度(ppm) |
温度 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|
H2S | Cl2 | NO2 | SO2 | |||
JIS H 8502 めっきの |
二酸化硫黄試験 | ー | ー | ー | 10±2 25±5 |
40±1°C 80±5%rh |
硫化水素試験 | 3±1 10±2 |
ー | ー | ー | 40±1°C 80±5%rh |
参考技術資料
- HRM-1907 ガス腐食試験
- HRM-1906 高濃度(ppmレベル)ガス腐食試験
- HRM-1905 ガス腐食試験の紹介
- HRM-1904 ガス腐食試験による太陽電池部品の耐久性・耐食性促進試験
- HRM-1610 低濃度(ppbレベル)ガス腐食試験
- TSU-2301 水素・アンモニアサプライチェーンの実現に貢献する材料評価技術のご紹介
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