耐候性鋼橋梁調査

耐候性鋼は、緻密で密着性のよい錆を形成することにより、腐食の進展が次第に抑制されます。板厚減少量と錆の保護性を測定することにより、その後のメンテナンス指針の策定に役立てることが可能です。

対候性鋼の腐食進行抑制について

全国22ヶ所の耐候性鋼橋梁の主桁の間に、試験片を9年間水平暴露した結果に基づいて求めた予測範囲です。17年間暴露した結果からも検証されています。

耐候性鋼の板厚減少曲線

長期間暴露された耐候性鋼と普通鋼の錆層の模式図

耐候性鋼橋梁調査の特徴

非破壊超音波検査技術者(JIS Z2305認定技術者)と腐食技術者が現場に赴いて、耐候性鋼構造物の板厚測定、錆の安定性調査(錆外観、錆厚、電位、組成分析(XRD)、フェロキシル試験、pH測定)、腐食環境調査(付着塩分測定、さび中塩分濃度測定)などを行います。これらの結果を踏まえて、耐候性鋼としての安定化度評価・診断を行います。
数年ごとに経過観察を行うとより正確な寿命予測が可能となります。
また、表面処理耐候性鋼橋梁についても評価・診断を行います。

橋梁、鉄塔など耐候性鋼構造物

測定項目

対候性橋梁の調査例

(1)非破壊超音波板厚測定

超音波厚さ計を用いて、鋼材の厚みを測定し、供用初期の板厚からの差分で、板厚減少量を算定します。

(2)錆外観

腐食技術者による外観観察により、層状剥離錆などの異常がないかを判定します。

(3)錆厚・錆電位

錆厚、錆電位を定量的に測定することにより、さびの安定性を判定マップに当てはめて評価します。

錆電位測定法


図.錆電位測定法

錆厚と錆電位による錆安定性評価


図.錆厚と錆電位による錆安定性評価

(4)錆組成

錆を一部持ち帰ってX線回折装置で定量分析することにより、錆の結晶相の組成比から保護性を評価することも可能です。

公的規格

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