微生物腐食調査
微生物誘起腐食
MIC:Microbiologically Influenced Corrosion
微生物腐食調査とは
微生物腐食とは、「土中又は水中に生息する微生物の作用によって、金属材料が腐食(酸化)促進される現象」です。海水及び淡水中で生じ、特にステンレス鋼では溶接部で多く発生します。特徴としては、バイオフィルムの生成、自然電位の上昇(貴化)、侵食の形態はインク壺状あるいはスケルトン状の金属組織、といった点が挙げられますが、関与する微生物の種類や作用機構についてはまだ不明な点が多いのが現状です。
そこで、弊社では従来の腐食調査方法に加えて、 1)腐食原因と推定される微生物を用いた再現性試験 2)微量の細菌からでも調査可能である次世代シーケンサを用いた網羅的解析を行い、解析結果から総合的に腐食原因を特定します。
Ion GeneStudio S5 システム(微生物腐食調査)
微生物腐食調査の適用分野(用途)
- 冷却水配管中の孔食原因調査
- 反応タンク内壁の孔食原因調査
- 各種付着物の微生物同定調査
- 鉄酸化細菌の同定・定量分析
微生物腐食調査の手順
- 従来の腐食調査を実施し、その結果から微生物腐食が想定された場合
- 腐食生成物等を採取して、微生物のDNA分析を行って関与した微生物の特定(推定)
- 腐食原因と推定された微生物を用いて再現性試験を実施し、腐食を人工的に再現
- 上記を総合的に評価して、腐食原因の特定
微生物のDNA分析フロー
サンプル仕様
- 腐食試験片(さび)
- 環境水
- 底質
装置仕様
- Ion GeneStudio S5 システム(サーモフィッシャー社製)
【半導体チップによるシーケンシング】 - シーケンスのリード長は最大600塩基で、リード長200塩基を約2.5時間(最大10Gbを解読)で読み取る。
- DNA鎖の伸長反応時に発生する水素イオンを電気的に検出。
微生物腐食調査の事例
事例1;SUS304の腐食原因調査
参考技術資料
関連する分類
水腐食
大気環境
ガス腐食
水素環境
アンモニア腐食
耐候性
現地調査
微生物腐食