高温アンモニアガス腐食試験

高温アンモニアガス腐食試験とは

高温アンモニアガス腐食試験では、微粉炭焚き火力発電設備でのアンモニア混焼、アンモニア専焼のボイラ内燃焼環境を再現することで、ボイラーチューブなど火炉部材への影響把握が可能です。
熱力学計算より算出した燃焼ガス組成を用いて、石炭火力発電ボイラ内の石炭・アンモニア燃焼環境を再現可能です。一例として付着灰を塗布することにより高温腐食の影響が把握でき、材料問題の系統的調査ができます。また、クリンカーへのアンモニアの影響も把握可能です。

高温アンモニアガス腐食試験装置の概略図


2023年度稼働

模擬環境例

*試験ガスの組成はご相談ください。

装置仕様

最高温度 1000°C
均熱帯長さ 200mm (※1000°C時)
炉心管内径 100mm
炉心管材質 石英もしくは金属
標準ガス流量 1.0NL/min
水蒸気導入量 最大30%

サンプル仕様

標準試料形状:約15mm×15mm×2mm

高温アンモニア環境での材料腐食評価の事例

アンモニアは脱炭素エネルギー源として、火力発電やガスタービンなどで燃料利用が進んでいます。しかし、高温アンモニア燃焼環境での材料腐食評価は十分に進んでおらず、耐熱合金の健全性確保が課題です。当社では、温度・流速を因子化した試験設計とガス分析による窒素ポテンシャル把握により、材料耐性を速度論・熱力学の両面から定量化。さらに断面観察や相解析を組み込み、損傷メカニズムを理解することで、信頼性の高い評価を提供します。ここでは腐食への流速の影響を中心に、窒素ポテンシャルの評価などを紹介します。

事例1;反応環境要因の調査例

試験条件

・試験材:SUS304H
・試験温度;550°C、750°C (24時間)
・ガス流速:0.15m/min,0.80m/min
・使用ガス:NH3

■流速の増大に伴う腐食の加速

各種条件での腐食増加量(mg/cm2)

■流速が窒化挙動に与える影響

窒化によって化合物層が形成されますが、高流速材の方が薄く緻密な傾向です。大きな違いとして、高流速材では最表面に1μm未満の薄膜層が認められます(流速0.80m/minの黄色矢印部)。

断面SEM像(550°C)

■化合物相の同定(EBSD+XRD)

最表面に薄膜層をなすε(Fe3N)相が形成、その下にFe4N/CrNに対応するFCC相が分布し、深部にはBCC(FeN)相が広がります。高流速によって表面に多くの窒素が供給され、形成される化合物相の分布に影響を与えることが示唆されます。

 EBSDによる化合物層の同定(550°C-0.80m/min)
 XRDによる化合物層の同定(550°C-0.80m/min)

事例2;窒化反応における環境要因の影響の評価例

■窒化への反応環境因子の影響(SUS304H)

窒化反応はガス相から表面への窒素供給律速であり、流速はその支配因子となります。温度と窒素ポテンシャルが最も重要な要素ですが、流速も境界の窒素供給を左右し、反応速度に影響します。

窒化への反応環境因子の影響 (SUS304H)

 

■ガス分析で実現する窒素ポテンシャル(KN)のモニタリングと反応評価

正確なガス分析により系内の窒素ポテンシャル (KN) を算出、モニタリングして反応を見える化します。これにより窒化への影響を定量化し、反応挙動の理解を深めます。

ガス濃度測定一例[(KN)の算出]

 

窒素ポテンシャル(KN)

参考技術資料

高温アンモニアガス腐食試験に関連する技術

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