高温/高圧容器(オートクレーブ)を用いた腐食試験
高温高圧容器(オートクレーブ)を用いた腐食試験とは
試験材料の使用環境を模擬した高温/高圧状態の腐食環境下における材料の耐食性を評価できます。試験ガス/試験液/試験温度を調整する事により、様々な環境下における材料の腐食速度/割れ有無/外観の調査によって、最適材料を選定するためのデータを得る事ができます。
オートクレーブを用いた腐食試験の模式図
高温/高圧容器(オートクレーブ)を用いた腐食試験の適用分野(用途)
- 高温/高圧下で使用する各種材料評価
- 油井管用金属材料の評価と選定
- CCS/CCUS*1用鋼管材料の評価と選定
*1 CCS(Carbon Capture and Storage),CCUS(Carbon Capture Utilization and Storage)排出するCO2を地中に貯留もしくは排出したCO2を有効利用すること。
例) ・H2Sを用いた硫化物応力腐食割れ評価(4点曲げ,U字曲げ等)
・CO2超臨界状態下での材料の腐食速度(孔食,隙間腐食,全面腐食等)算出試験
高温/高圧容器(オートクレーブ)を用いた腐食試験の原理
圧力容器を密閉し、ヒーターにて加熱し、試験ガスを飽和/加圧することにより、材料の使用環境を模擬し、試験目的に合わせた試験片を一定時間(例:720hrs)浸漬/暴露させ評価します。治具を用いて曲げ応力負荷する事で、応力腐食割れの発生有無を調査も可能です。 試験結果により当該材料の使用環境での使用可否判断を行ったり、複数材料の比較評価する事が可能です。
装置仕様
温度 | 常温~300°C |
圧力 | 常圧~20.0MPa |
各試験ガス最大吹込み分圧 *右記載の試験ガス以外はご相談下さい |
H2S : 2.0MPa |
釜内寸法 | 容器1(約11L);直径φ230mm×高さ260mm 容器2(約8L) ;直径φ230mm×高さ180mm |
撹拌軸最大回転数 *試験液種によって使用できない場合があります。 |
500rpm |
サンプル仕様
腐食速度算出用板状試験片 | L30mm×W20mm×t2~5mm+φ5mm |
隙間腐食用板状試験片 | L30mm×W30mm×t2~3mm+φ5mm + L30mm×W15mm×t2~3mm+φ5mm |
4点曲げ試験片 | L75mm×W10mm×t2mm |
*上記試験・試験片寸法は一例です。詳細はご相談願います。
高温/高圧容器(オートクレーブ)を用いた腐食試験の事例
事例1;腐食速度算出試験
材質の異なる試験片を同一環境に浸漬し、腐食速度(mm/year, g/m2・h等)を算出し比較する事により、当該材質の耐用年数算定の指標とすることができます。
炭素鋼、ステンレス、2相ステンレス等異なる材質を同一環境に浸漬した場合の表面腐食状態の違い。