湿潤試験
湿潤試験とは
湿潤試験は、排ガス環境等の比較的水蒸気を多く含む環境を想定した高温曝露試験です。燃焼条件に応じて水蒸気や二酸化炭素等の各種ガスを任意の混合割合で送気し、材料を曝露することが可能です。
湿潤試験機の外観
湿潤試験機の適用分野(用途)
- 高温部材
- 燃焼関連部材
湿潤試験機の原理
高温に保持した炉心管(セル)内部の均熱帯に、サンプルを設置し、所定の温度まで昇温します。炉心管内のガス雰囲気は一定に保たれており、所定時間の曝露が可能です。高温の酸化性ガスに曝露された金属材料の表面は酸化され、外観や重量が変化していきます。所定時間経過後にサンプル間の変化を比較することで、材料の腐食耐性の優劣をつけることができます。
装置仕様
温度 | 300 ~ 1400°C |
昇温速度 | 約300°C/h |
降温速度 | 約40°C/h または高温取出し(AC, WQ可) |
供給可能ガス |
H2O, N2, CO2, O2, Ar, (H2*) |
*H2添加の場合は温度800°Cまで、H2O, Arのみ混合可 |
装置の概略図
サンプル仕様
- 板状等(W20mm×L25mm×T2mmやW13mm×L35mm×T2mm等)
- 上記板状で吊り下げ型の場合、最大で同時40枚程度
※試験片形状は枚数は都度ご相談ください
サンプルの形状例
試験機への導入例
湿潤試験機の事例
事例1;金属材料間の酸化増量比較
湿潤高温酸化雰囲気で所定時間サンプルを曝露することにより、写真(試験前後のサンプル)に示す通り、サンプルの表面は酸化スケールに覆われ、灰色に変化してきます。酸化は金属と酸素が結びつく反応ですので、酸化スケールの剥離が無い場合は、グラフ(酸化増量の時間依存性)に示す通り、試験片の重量が増加していきます。
試験前後のサンプル
酸化増量の時間依存性
関連する技術
関連する分類
水腐食
大気環境
ガス腐食
水素環境
アンモニア腐食
耐候性
現地調査
微生物腐食