超促進耐候性試験(メタルウェザー)
超促進耐候性試験(メタルウェザー)とは
促進耐候性試験とは、主に塗装や樹脂製品を対象とした劣化促進試験です。本試験により、太陽光や温度・湿度、降雨などの自然条件を装置を用いて再現し劣化を促進させ、材料・製品間での劣化状態や耐環境性の評価を行う事が出来ます。
超促進耐候性試験では、光源に紫外線出力のきわめて高いメタルハライドランプを使用しており、高い促進性で試験時間を大幅に短縮可能です。
超促進耐候性試験装置(メタルウェザー)

超促進耐候性試験(メタルウェザー)の適用分野(用途)
- 塗装製品
- 樹脂材料製品
超促進耐候性試験(メタルウェザー)の原理
紫外線出力のきわめて高いメタルハライドランプを光源として照射するとともに、試験槽内の雰囲気温湿度制御および降雨を模擬した定期的な水シャワー条件を組み合わせることで、屋外暴露条件に近い環境で劣化促進試験を行います。
屋外暴露に対する促進耐候性試験の促進倍率
試験方法 | 1年間の放射露光量※1に対応するおよその試験時間 | 促進倍率 | ||
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試験方法 | 放射照度 | 時間 | 日 | |
メタルウェザー | 1200※2 W/m2 | 70時間 | 3日 | 約122倍 |
サンシャインカーボン | 78.5 W/m2 | 1080時間 | 45日 | 約8倍 |
キセノン | 60 W/m2 | 1400時間 | 58日 | 約6倍 |
スーパーキセノン | 180 W/m2 | 470時間 | 20日 | 約18倍 |
屋外暴露(国内) | - | 8760時間 | 365日 | 1倍 |
※2 JIS C 1613対応の高エネルギー紫外放射照度計による照度
装置仕様
ランプ:水冷式メタルハライドランプ
波長領域:フィルタにより2パターンから選択可能
295~780nm(太陽光の波長分布模擬)、295~430nm(紫外領域のみ)
放射照度:90~150mW/cm2 (JIS C 1613対応照度計による照度)
有効照射面積:200×400mm
温度制御範囲:照射時45°C~85°C(試料台上、ブラックパネル温度(BPT))
湿度制御範囲:30%~90%RH (試験条件の組み合わせにより範囲の変動有り)
サンプル仕様
- 基本は板状、サイズは200×400mmに収まる範囲・枚数まで設置可能
- 試験対象品の端部をアルミテープで固定するため、端部は試験対象外となります
※試験品形状および数量は都度ご相談ください
超促進耐候性試験(メタルウェザー)の事例
事例1;ポリカーボネート(PC)樹脂製品劣化比較
製造元、添加剤の異なる2種類のポリカーボネート樹脂を、屋外暴露期間相当の
紫外線照射を一定期間行った後の外観状況を比較した。
なお外観のみでなく色差・光沢変化や表層の組成分析等による劣化評価も可能です。

公的規格
- JIS A 1501:2021 樹脂製建具のメタルハライドランプによる促進耐候性試験方法
- JMT-G01:2000 メタルハライドランプ方式試験機