応力腐食割れ試験
応力腐食割れ試験とは
応力腐食割れ試験は、材料の使用環境を模擬した溶液環境中(高Cl-濃度,H2S環境,低pH等)に、引張応力を負荷した試験片を一定期間浸漬し、応力腐食割れの発生有無を確認する試験です。
貯留タンクや配管は、割れが発生し内容物が流出した場合、生産工程への影響や環境汚染へと繋がる恐れがあるため、使用される材料には応力腐食割れの発生しないものを選ばなければなりません。加工性やコスト面等から複数の候補が挙がる場合に最適な材料を選択する為のデータを提供する事ができます。
応力腐食割れ試験の適用分野
- 引張応力が負荷され、且つ高Cl-濃度やH2S環境等の環境割れ発生因子が存在する環境で使用される材料
応力腐食割れのメカニズム(原理)
高Cl-濃度、H2S環境、低pH環境等において使用する材料に引張応力が負荷されている場合、材料表面の局部腐食箇所への応力集中や水素侵入を起因とした割れが生じる場合があります。
装置仕様
恒温槽を使用した場合 | 温度 | 4°C~50°C |
圧力 | 常圧 | |
オートクレーブを使用した場合 | 温度 | 常温~300°C |
圧力 | 常圧~20.0MPa | |
応力負荷方法 | 歪ゲージ法, たわみ法 |
*試験液種・試験ガスによっては使用できない物もあるため、ご相談ください。
サンプル仕様
(1)4点曲げ試験片(板状) | L75mm×W10mm×t2mm L100mm×W15mm×t5mm L115mm×W15mm×t5mm L165mm×W20mm×t12mm |
(2)NACE TM0177 Method A(丸棒) | L110mm、G.L.25.4mm 平行部径6.35mm、Rmin.15.8mm |
*上記試験片寸法は一例です。詳細はご相談願います。
応力腐食割れ試験の事例
事例1;4点曲げ試験
治具により曲げ応力を負荷(歪量 or たわみ量)したステンレス材料の試験片を、高濃度Cl-+硫化水素環境下で720hrs浸漬した後の割れ発生有無を調査。
事例2;NACE TM0177 Method A
リングのスプリングバックを利用して引張応力状態とした引張試験片を、高濃度Cl-+硫化水素環境に720hrs浸漬し、SSCによる破断の有無を調査。
公的規格
- NACE TM0177 Method A,B,C,D
- NACE TM0316
- ASTM G39
- ASTM G38
- EFC No.17
参考技術資料
関連する技術
関連する分類
水腐食
大気環境
ガス腐食
水素環境
アンモニア腐食
耐候性
現地調査
微生物腐食