高圧水素ガス中での曝露試験
高圧水素ガス下曝露試験とは
高圧水素ガス中に試験片を曝露し、水素曝露前後の材料特性を比較することで、水素吸収が材料特性に及ぼす影響を評価します。長時間、一度に多数の試験片を曝露することが可能である。金属だけでなく、樹脂の曝露にも対応しています。
高圧水素ガス下曝露試験機の外観

装置の概略図

高圧水素ガス中での曝露試験の適用分野
- 自動車
- エネルギー
- インフラ
高圧水素ガス中での曝露試験の原理
圧力容器内に引張試験片をセットし、容器を密閉した後、水素ボンベから導入した水素ガスを圧縮機を用いて、容器内に高圧充填します。所定の温度、圧力に調整後、曝露を開始します。
装置仕様
供給可能ガス | H2, N2 |
圧力範囲 | 大気圧~98MPa |
温度範囲 | 室温~300°C |
圧力容器 | φ130×H370mm(容量5L) |
*台数:3台(5L, 3L, 2L) *高温高圧から30分以内の取出し可能 |
高圧水素ガス中での曝露試験の事例
事例1;水素吸収特性の調査
Ni量が異なる各種材料を室温および85°Cの高圧水素ガス中に曝露し、材料中に吸収された水素濃度を測定しました。
その結果、温度(室温、85°C)で比較すると85°Cで多くの水素が吸収されました。
また鋼種(フェライト系、オーステナイト系、ニッケル基)で比較するとオーステナイト系、ニッケル基で多くの水素が吸収されました。
水素脆化は材料中に吸収された水素によって引き起こされるため、高圧水素ガス中で長期間使用される部品に、どの程度の水素が吸収されるのか知ることは重要となります。

事例2;水素曝露前後の特性評価
高圧水素ガスに曝されると材料中に水素が吸収されます。
水素曝露前後にて評価・比較することで、様々な特性への水素ガス曝露の影響の有無を調べることが出来ます。
φ130×H370mm(容量5L)という大きな圧力容器を用いて、一度に多くの試験材を曝露すれば、短期間で効率的に評価することが出来ます。
