石炭及びコークスのハードグローブ粉砕性指数(HGI)測定
石炭及びコークスのハードグローブ粉砕性指数(HGI)測定とは
石炭及びコークスの粉砕のし易さを表す代表的な指数の一つに、ハードグローブ粉砕性指数(HGI)があります。
世界的に広く分布し埋蔵量が豊富な石炭は、長期にわたり利用可能な極めて重要な火力発電の燃料です。現在、国内の石炭火力発電所においては石炭を粒子状に細かく粉砕して燃焼させる微粉炭火力発電方式が主に用いられており、石炭の粉砕性は品質を評価する重要なパラメータとなっています。
ハードグローブ石炭粉砕性試験機(コールエルベートグローブ)


適用分野(サンプル仕様)
- 石炭・コークス
- 必要試料量:300g以上
石炭及びコークスのハードグローブ粉砕性指数(HGI)測定の特徴
- JIS M 8801に準拠
ハードグローブ粉砕性指数測定方法(JIS M 8801準拠)
(1)試料調製
気乾・縮分・粉砕・篩い分け
気乾・縮分した試料を4.75mm以下に予備粉砕後、1.18mm~600μmになるように粉砕、篩い分け
(2)粉砕
ハードグローブ粉砕装置:ロールミルの一種であるボールベアリングミル
調製した試料から50gを、あらかじめ直径25.4mmの鋼球8個を入れた粉砕室に入れ、トップリングを鋼球8個の上に載せ、 284±2N以上の荷重を加え、毎分15~20回転(15~20RPM)の回転速度で60回転し粉砕(約3分間)

(3)篩い分け
篩い分け装置:ロータップ振とう機※1又はこれに準じるもの
砕製物を目開き75μmの篩いで、篩い分け装置を用いて20分間の篩い分け
篩い上質量を0.01gの桁まで秤量し、50gからこの値を差し引いて、篩い下の質量W(g)とする。

※1 ロータップ振とう機性能
水平運動毎分約300回、打撃回数毎分約150回、ハンマー質量 約1.9kg
(4)HGI算出

ハードグローブ粉砕性指数(HGI)は、上の式によって小数点以下まで算出し、JIS Z 8401によって丸めて整数とする。
報告値は繰り返し試験をした2個の測定値の平均値を小数点1けたに丸めてHGIとして表示する。
石炭及びコークスのハードグローブ粉砕性指数(HGI)測定の事例
事例1;発電用石炭のHGI測定
表 発電用石炭の試験結果一例
銘柄A | 銘柄B | |
---|---|---|
水分(%) | 5.30 | 14.77 |
灰分(%) | 25.64 | 42.40 |
揮発分(%) | 37.22 | 28.80 |
固定炭素(%) | 41.94 | 14.10 |
発熱量(kcal/kg) | 5,582 | 2,960 |
HGI | 39.4 | 46.1 |
HGI値が小さいほど粉砕しにくい事を意味します。
公的規格
- JIS M 8801「石炭類-試験方法」