熱伝導率測定
熱物性の一つである熱伝導率(λ)(単位W/(m・K))は、温度の勾配により生じる伝熱のうち、熱伝導による熱の移動のしやすさを表す物性値です。
熱伝導率値が大きいものは熱を伝えやすく、値が小さなものは熱を伝えにくい(断熱性が高い)と言えます。
製品開発やエネルギー効率改善などの技術開発において、断熱、伝熱、放熱等熱の移動を考える上で、材料の熱伝導率評価は大変重要です。
以下、定常法と非定常法に大別される熱伝導率を測定について、試料の状態や形状に合わせて選択される3つの測定法(フラッシュ法、温度傾斜法、熱線法)を解説します。
定常法と非定常法について
定常法 | 非定常法 |
試料に定常的な温度勾配を与えて熱伝導率を測定する方法 | 試料に過渡的な熱流エネルギーを加え、試料の温度応答から熱伝導率を算出する方法 |
例) 試料の片側を高温に、反対側を低温にして、試料内各点の温度を測定する |
例) 試料の表面に時間変化するエネルギーを加え、裏面の温度変化を測定する |
試験・分析項目一覧
測定方法 | フラッシュ法(非定常法) | 温度傾斜法(定常法) | 熱線法(非定常法) |
---|---|---|---|
測定原理 | ![]() |
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対象 | ・単層材、2層材、3層材 ・高熱伝導材 |
・多層材、多孔体等 ・接触熱抵抗 |
・単層材(耐火物、液体) ・低熱伝導材、粉末 |
測定温度 | -100°C〜1400°C | -30°C〜700°C | 室温〜1300°C |
標準試料形状 | Φ10mm×1mm | Φ50mm×10mm | 114mm×65mm×230mm ※2枚必要 |

各材質の熱伝導率と測定方法

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