回転鉄損シミュレータ
実際のモータステータコア片形状でコアバック部、ティース部も含めた磁路で発生する鉄損を評価する測定法です。打抜き加工歪の影響や数枚程度積層した試験片でのかしめや溶接歪影響の評価が可能です。中央部の励磁回路で励磁した状態で発生する引き摺りトルクの発生量から鉄損を測定します。
回転鉄損シミュレータの外観

回転鉄損シミュレータの適用分野(用途)
- モータステータ形状の電磁鋼板での鉄損測定
回転鉄損シミュレータの測定原理
ステータ形状の試料中に回転磁束を発生させるとトルクが誘起されます。この誘起トルクは試料中で発生する鉄損によるものと考えられますので、トルクを測定することによって鉄損を測定することができます。実際の測定の際には、試料を固定した状態でトルク測定を行うと摩擦による機械損の影響が大きくなるため、一定の回転数nsで試料を回転させながら、励磁装置によって回転数nfの回転磁束を発生させることによって、試料にnf-nsの回転磁束を与えた状態で測定を行います。

サーミスタ法との測定値比較

参考技術情報
- J.Appl.Phys.69(8)(1991)5106-5108 “Mechanical method of iron loss measurement in a rotational field and analysis of iron loss in a motor”
- 電気学会 回転機研究会資料 RM91-45「回転機用電磁鋼板鉄損評価法の検討」
- 電気学会 回転機研究会資料 RM92-79「トルク検出による電磁鋼板回転機鉄損評価法の理論検討」
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