粉体材料の比表面積・細孔分布測定

粉体材料の比表面積・細孔分布測定とは

触媒担体、吸湿材、消臭剤等として利用される、活性炭、ゼオライト等の多孔質材料※の比表面積測定や細孔の大きさ・量を測定する事は、吸着性能を評価する上で極めて重要です。当社ではガス吸着法による比表面積および細孔分布(細孔の大きさ・量)測定、水銀圧入法による細孔分布、気孔率測定が可能です。また、セメント材料の物理試験としてブレーン法による比表面積測定も可能です。
※多孔質材料・・・・内部に大小様々な孔をもつ固体材料

測定法と測定項目

測定法 ガス吸着法 水銀圧入法 ブレーン法
項目 比表面積 ×
細孔分布
(孔径)

(Φ0.35 nm~Φ500nm )

(Φ4 nm~Φ400 μm )
×
気孔率 × ×

孔のサイズと測定方法

粉体材料の比表面積・細孔分布測定の適用分野

1.ガス吸着法

ガス吸着法による細孔分布、比表面積の測定原理

気相で動き回っているガス分子が固体表面に引きつけられる現象をガス吸着といいます。ガス吸着には物理吸着と化学吸着があり、物理吸着とは、低温での分子間力に基づく可逆的な吸着をいいます。
ガス吸着法とは、多孔質試料にガス分子を物理吸着させて吸脱着等温線を測定し、その曲線を各種解析方法により解析して比表面積,細孔容積,細孔分布などを得る手法です。

ガス吸着法の装置仕様

前処理装置の仕様

機種 : Quantachrome社製 MasterPrep MP-2-110
温度 :室温~425°C 
真空度 :1Torr以下
同時処理数:6検体


写真1 前処理装置(ガス吸着法)

測定装置の仕様

機種 : Quantachrome社製 autosorb iQ
測定性能 : 比表面積 N2ガス 吸着 0.01 m2/g以上
              Kr ガス吸着 0.0005 m2/g以上
細孔分布 : 0.35 nm<D < 500 nm
測定相対圧力 : 1×10-7<P/P0<1 (N2吸着)
容積検出限界値 : 0.0001 mL/g以下


写真2 高真空物理/化学吸着分析装置外観

測定装置の仕様

測定項目 解析方法
比表面積 BET(Brunauer Emmett Teller)多点法・Langmuir法
メソ細孔分布 (2 nm < D <50 nm) BJH(Barrett Joyner Halenda)法、DH(Dollimore Heal)法
ミクロ細孔分布 (D <2 nm) t-プロット法、HK(Horvath Kawazoe)法・・・活性炭等 SF(Saito-Foley)法・・・ゼオライト、シリカゲル等
ミクロ孔~メソ孔細孔分布 DFT法(Density functional theory, 密度汎関数法) 広範囲の細孔の評価が可能で信頼性が高い

サンプル仕様

写真5 測定用ガラスセル(口径 φ6mm 充填部 15mmの球体)

ガス吸着法の事例

事例1;無機粉体の比表面積測定(ガス吸着法)

等温線の一部(P/P0=0.05~0.3)を測定し、BETプロット(図1)を作成して比表面積を算出します。(BET多点法)

試料:無機粉体 0.7634g
前処理:200°C 1時間加熱真空脱気
測定条件:N2吸着 液体窒素77 K

測定結果

BET比表面積 4.5 m2/g


図1 BETプロット

事例2;活性炭の比表面積及び細孔分布測定(ガス吸着法)

既知量のガスを連続して試料セルに加えながら圧力を測定する操作を繰り返し、吸着等温線(図2)を得ます。吸着等温線は、細孔の有無や形状,大きさなどによりその形が変化し、細孔の大まかな情報が得られます。

試料:活性炭 0.01g
前処理:200°C、2時間加熱真空脱気
測定条件:N2吸着 液体窒素77 K

測定結果

比表面積: 1104 m2/g
全細孔容積(1点法): 0.65 cc/g
(P/P0=0.993717)
平均細孔径: 23.6Å

また、DFT法を用いた解析により細孔分布を取得する事ができます(図3)。


図2 活性炭の吸着等温線

図3 DFT法による細孔分布解析結果

2.水銀圧入法

水銀圧入法による細孔分布、気孔率の測定原理

小型容器に試料を入れ、そこへ固体を濡らさない性質をもつ水銀を満たします。低圧から高圧へステップで試料の大きな細孔から小さな細孔へと試料内に水銀を圧入させます。その際の圧力と試料へ圧入された水銀の体積を測定することで、細孔径分布が得られます。また、圧入前の試料(かさ)体積と圧入後の試料(みかけ)体積から気孔率が求められます。

装置仕様

機種 : 島津製作所社製 オートポアIV9500/9505型
測定媒質 : Hg
測定範囲:孔径Φ4nm~Φ400μm


写真3 水銀圧入法分析装置外観

測定項目、解析方法

測定項目 Stage 圧力範囲 直径範囲
細孔分布 低圧(ガス) 3.5kPa~0.35MPa 426μm~4.26μm
高圧(油) 0.14MPa~420MPa 4.26μm~3.6nm

サンプル仕様


写真6 測定用セル

水銀圧入法の事例

備長炭の細孔分布測定(水銀圧入法)

小型容器に試料を入れ加圧して試料の細孔内に水銀を圧入させます。その際の圧力と試料へ圧入された水銀の体積を測定することで、細孔径分布が得られます(図4)。


図4 水銀圧入法による細孔分布解析結果

3.ブレーン法

セルをマノメータから取り外し、その底部に有孔金属板及びろ紙を置き、その上に試料を秤取ります。その上に別のろ紙を置いて、プランジャーで静かに押します。ブランジャーを静かに抜き取ります。


セル内イメージ図

セルをマノメータに密着させ、コックを開きゴム球を用いてU字管内のマノメータ液の液頭をA標線まで上げ、コックを閉じます。液頭がB標線からC標線まで降下する時間をストップウォッチを用いて0.5秒まで正確に測定します。

この空気の通り具合によって、B標線からC標線まで降下する時間が変化し、比表面積(cm2/g)を算出することができます。

比表面積大⇒細かい粉末
比表面積小⇒粗い粉末


U字管イメージ図

ブレーン法の適用分野

装置仕様

機種 :東京理化精機製作所 ブレーン空気透過粉末度測定器
測定媒質 : 空気
測定範囲:比表面積球相当径 1~100μm


写真4 ブレーン法装置(マノメータ)外観

サンプル仕様

公的規格

【ガス吸着法】


【水銀圧入法】


【ブレーン法】

参考技術資料

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