有機分析

化学分析の中で有機化合物を対象とする分析を有機分析と言います。有機化合物は、炭素を主とした水素、酸素、窒素原子などから構成される物質の総称であり、工業製品の先端材料として欠かせない存在です。多数ある有機化合物の解析に対し、各種手法を組み合わせることで高精度の定性分析(同定)や構造解析を行い、研究開発やトラブル原因究明を支援します。分析試料は、主に樹脂や油類などですが、無機化合物との複合材料である場合もめずらしくありません。また、試料の状態は、固体・液体・気体(ガス)と様々です。ここでは、有機分析を試料の状態別に固体分析、液体分析、気体分析に分類し、ご紹介いたします。

有機分析での試料状態による分析手法の選択について

試料の状態 分析の仕方 代表的な分析手法
固体試料 表面やバルクを直接分析する手法の他、固体試料をガス化して分析することもあります。 顕微フーリエ変換赤外分光法(μ-FT-IR)
ラマン分光法
電界脱離質量分析法(FD-MS)
電子スピン共鳴法(ESR)
液体試料 液体を直接分析する手法の他、液体試料をガス化して分析することもあります。 顕微フーリエ変換赤外分光法(μ-FT-IR)
ラマン分光法
電界脱離質量分析法(FD-MS)
電子スピン共鳴法(ESR)
・高速液体クロマトグラフ(HPLC)
気体試料 ここでは、主に前処理として試料をガス化することで、固体・液体試料を分析する技術について紹介します。大気等、気体そのものを試料とした分析手法はガス分析としてまとめています。 ・ガスクロマトグラフ質量分析法(GC-MS)

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