イオンクロマトグラフ法(IC)

IC;Ion Chromatography

イオンクロマトグラフ法(IC)とは

イオンクロマトグラフを用い、水溶液中のフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、亜硝酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、亜硫酸イオン及び硫酸イオンの陰イオン成分の分析を行っています。
また、自動燃焼装置とイオンクロマトグラフを組合わせることで、固体試料中の全フッ素、全塩素、全臭素、全ヨウ素及び全硫黄分析も行えることから、プラスチック、樹脂における難燃剤及び環境負荷物質等のスクリーニング分析、その他にも石油類の不純物分析等、様々な試料について幅広い目的で用いられます。

1.イオンクロマトグラフ法による陰イオン分析

イオンクロマトグラフ法による陰イオン分析の適用分野(用途)

イオンクロマトグラフ法による陰イオン分析の原理

溶離液を移動相として、イオン交換体などを固定相とした充填カラム内で試料溶液中のイオン種成分を分離し、定量する方法。


陰イオン分析結果クロマトグラム

装置仕様

型式名称 サーモフィッシャーサイエンティフィック社製
カラム AG18/AS18
溶離液 KOH(溶離液ジェネレータ)グラジエント分析
検出器 電気伝導度検出器

サンプル仕様

2.自動燃焼-イオンクロマトグラフ法による固体試料中ハロゲン及び全硫黄の分析

自動燃焼-IC法によるハロゲン及び全硫黄分析の特徴

・通常のICでは分析困難な固体試料、液体試料のハロゲン及び全硫黄分析が可能。

自動燃焼-IC法によるハロゲン及び全硫黄分析の適用分野

自動燃焼-IC法によるハロゲン及び全硫黄分析の原理

試料中の硫黄およびハロゲン*は燃焼分解により硫黄酸化物およびハロゲン化水素あるいはハロゲンガスとなります。吸収液にこれらを吸収させ、硫酸イオンまたはハロゲン化イオンとして捕集します。吸収液には過酸化水素を添加し、亜硫酸イオンの酸化およびハロゲンガスの還元を行います。吸収液に捕集された硫酸イオンおよびハロゲン化物イオンをイオンクロマトグラフで測定し、試料中の含有量を求めます。


*ハロゲン:周期表17族のフッ素、塩素、臭素、ヨウ素及びアスタチンの総称。アスタチンは半減期が数時間であり、自然界にはほとんど存在しないため、ハロゲン分析は一般的にアスタチンを除いた4元素の分析になります。

装置仕様

燃焼-吸収装置 型式名称 AQF-2100H (日東精工アナリテック社製)
燃焼管 高純度石英製
燃焼炉 最高1100°C
使用ガス アルゴン
IC装置 型式名称 IC-2010(東ソー社製)
カラム TSKgel SuperlC-Anion HS
溶離液 3.8mmol/L NaHCO3
+3.0mmol/L Na2CO3
検出器 電気伝導度検出器
自動燃焼-IC装置
自動燃焼-IC装置

サンプル仕様

イオンクロマトグラフ法(IC)の事例

事例1;自動燃焼-IC法におけるハロゲン及び全硫黄分析

各種標準物質を用いて、測定を実施しました。

表.分析結果

測定項目 定量下限
(mg/kg)
試料
(標準物質)
標準値
(mg/kg)
回収率(%)
(n=3)
CV(%)
(n=3)
全フッ素
F
10 石炭
(NIST1632C)
72.7±6.8 98.2 1.0
全塩素
Cl
10 プラスチック
(ERM-EC681)
92.9±2.8 99.5 2.0
全臭素
Br
10 プラスチック
(ERM-EC681)
98±5 96.6 1.6
全ヨウ素
I
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全硫黄
S
10 軽油
(日本石油学会標準)
103±2 98.3 1.1

公的規格

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