真空紫外-1光子イオン化-飛行時間型質量分析計(VUV-SPI-TOFMS)
真空紫外-1光子イオン化-飛行時間型質量分析(VUV-SPI-TOFMS)とは
真空紫外-1光子イオン化-飛行時間型質量分析計(VUV-SPI-TOFMS)は、気体中の注目成分をリアルタイム・オンサイトで分析するために独自に開発されたガス分析装置です。質量分析計により成分(分子量)ごとの濃度を1秒単位で連続測定できる装置となっています。ガス分析で一般的に用いられるGC/MS法では時間変化の調査が困難であり、また連続分析用の簡易分析計では分子種の識別が困難という悩みを解決した装置となっています。
真空紫外-1光子イオン化-飛行時間型質量分析(VUV-SPI-TOFMS)の特徴
- 有機分子を壊すこと(フラグメント)なく検出することが可能
- 多成分同時測定が可能
- リアルタイム分析が可能
- 可搬型のため煙道接続、オンサイト分析が可能
真空紫外-1光子イオン化-飛行時間型質量分析(VUV-SPI-TOFMS)の適用分野
- 大気環境測定(有機成分、臭気物質等)
- 操業モニタリング
- プロセス終端探索
装置仕様
- 測定分子量範囲:m/z20~500
- 測定間隔:1秒~
- 定量下限:約1ppb~(分子種による)
真空紫外-1光子イオン化-飛行時間型質量分析(VUV-SPI-TOFMS)の原理
Nd:YAGレーザーの第3高調波(355nm)をXeガスセルに照射、第9高調波(118nm:10.5eV)を発振させてイオン化光源とし、真空装置内に導入されたサンプルガスに照射する。サンプルガスを構成する分子のうち、イオン化ポテンシャルが10.5eV以下の分子がイオン化される。イオン化された分子はイオン捕集電極により飛行時間型質量分析計に導入され、飛行時間と信号強度により質量数と濃度が算出される。(図1)
サンプル仕様
- 煙道
- 周辺大気(雰囲気)
- サンプルバッグ
- 液体(揮発分を測定)
- 固体(揮発分を測定)
真空紫外-1光子イオン化-飛行時間型質量分析(VUV-SPI-TOFMS)の事例
事例1;自動車排ガスの測定例
シャーシダイナモ計測@(独)交通安全環境研究所
測定車:3ton車 ポスト新長期適合車
走行モード:JE05(コールドスタート)
測定対象物質:多環芳香族、NOx、他
BTXの検量線
・リアルタイム評価例
事例2;燃料揮発分の分析
軽油の揮発成分
ガソリンの揮発成分
参考技術資料
関連する技術
関連する分類
無機分析
- キャピラリー電気泳動法(CE)
- 原子吸光分析法(AAS)
- イオンクロマトグラフ法(IC)
- 水分の分析
- 重量法、容量法(滴定法)
- ガス成分分析
- 誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)
- 誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)
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- ガスクロマトグラフ質量分析法(GC-MS)
- 電界脱離質量分析法(FD-MS)
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- 示差熱天秤-質量分析法 (TG-DTA/MS)
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- 電子スピン共鳴法(ESR)
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- ブローホールガス分析
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- 物質収支試験
- ガスクロマトグラフ(GC)法(TCD・PDHID)による無機ガス分析
- 昇温脱離ガス質量分析(TDS)
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