メタラジー

金属は「ミクロ組織」を持ちます。ミクロ組織は引張強度、疲労強度、伸び、延性などの機械的性質のほか、耐食性とも深く関連しています。
ミクロ組織は金属の成分、熱処理、熱履歴、加工により変化します。当社では各種熱処理から機械試験、そしてメタラジーの観点からミクロ組織を調査します。
・グリーブル試験 ;各種炉での焼入れ・焼戻し、部分溶融-再凝固引張試験
・再現熱サイクル試験;溶接熱影響部(HAZ)再現
・ジョミニー試験 ;焼き入れ性
・フォーマスター試験;連続冷却変態(CCT)図、恒温変態(TTT)図作成
各種試験による評価を承ります

メタラジーの適用分野

メタラジーに関連する各種試験

1.グリーブル試験

丸棒(φ10mm×L120mm)や薄板(w30mm×L130mm×t0.8~5.0mm)の試験片を部分溶融・再凝固させた後に引張試験できる装置です。製造プロセス(凝固~熱間加工~熱処理)のシミュレーションが可能です。
鋳片割れ、熱間加工割れ、鋼の溶解~凝固~冷却過程での高温脆化特性の評価などに使用します。

2. 再現熱サイクル試験

試験片に溶接熱影響部(HAZ)の熱履歴を模擬して熱処理する装置です。熱履歴を与えられた試験片は、CTOD試験やシャルピー試験片に供したり、ミクロ組織、硬さ確認に使用します。

3. ジョミニー試験

焼入性試験です。円柱状の試験片をオーステナイト域まで熱し、片方の端部に水を吹き付けて焼き入れします。そして断面作成し、硬さ試験し、焼入性を調査します。

4. フォーマスター試験

柱状や薄板試験片を加熱・冷却して膨張・収縮を測定する装置です。ミクロ組織観察、硬さ試験と合わせて、連続冷却変態(CCT)図、恒温変態(TTT)図を作成します。

5. 加工フォーマスター試験

柱状試料を希望する雰囲気中で様々な加工条件(温度・歪み)で加工し、加工中および加工後に生じる諸現象(変形抵抗・組織変化・延性(絞り)などを捉えると共に、加工直後の変態挙動を検出する試験です。

6. ミクロ組織観察

ミクロ組織(金属組織)観察は金属材料の基盤情報で、とても重要です。
金属試料を適宜採取し、樹脂埋込して研磨します。そして、エッチング(組織現出)し、光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡(SEM)で観察します。エッチングは、それぞれの金属に合わせて、酸やアルカリの水溶液や、電解エッチングします。
このほか、結晶の粒径や方位などの測定ではEBSD分析を、さび、析出物・介在物、そして異物・変色の分析にはEDSやEPMAを用います。

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