熱分析(DTA・DSC)による2元合金の融解挙動評価

RSM-2605

1.熱分析(DTA・DSC)による2元合金の融解挙動評価

溶接、溶削、ロウ付けをはじめとした合金の融解を伴う工程の条件設定には合金の融解開始温度と融解終了温度を正確に求めることが重要です。本報では、合金の一例として成分比を変えた3種類のAg-Cu二元合金の測定結果をご紹介します。
 

示差熱分析(DTA)、示差走査熱量測定(DSC)について

示差熱分析(DTA: differential thermal analysis)、示差走査熱量測定(DSC: Differential Scanning Calorimetry)では、測定試料と基準物質の温度をプログラムに従って変化させていき、その過程での両者の温度差を計測することで、試料への熱の出入り(吸熱・発熱)を測定します。試料の融解、ガラス転移、熱履歴、結晶化、硬化、磁気変態点、酸化安定性、熱変性など様々な熱特性を評価することが可能です。

 

示差走査熱量計(DSC)に関する技術解説はこちらから

示差熱-熱重量同時分析(TG-DTA)に関する技術紹介はこちらから

2.融解開始温度・融解終了温度の取り方

示差熱分析では相変化による発熱反応や吸熱反応が起きると、DTA、DSC曲線のピークが観察されます。合金の示差熱分析では、吸熱ピークの開始温度を融解開始温度とし、吸熱ピークの先端を融解終了温度とします。示差熱分析では相変化による発熱反応や吸熱反応が起きると、DTA、DSC曲線のピークが観察されます。合金の示差熱分析では、吸熱ピークの開始温度を融解開始温度とし、吸熱ピークの先端を融解終了温度とします。
  

参考文献:
NIST Recommended Practice Guide: DTA and Heat-Flux DSC Measurements of Alloy Melting and Freezing (2006) National Institute of Standards and Technology
大坪, 熱測定1(1974)107
齋藤, 小林, 熱測定7(1980)50

3.評価事例;Ag-Cu2成分系の融解反応評価

Ag-Cu2成分系の融解反応における共晶温度と融解終了温度(=液相線)をDSC測定による熱分析で評価しました。

測定条件

DSC測定結果

参考文献値:Binary Alloy Phase Diagrams, 2nd Edition (1992) ASM International, p.29

Ag-Cu2成分系状態図

共晶温度と融解終了温度(=液相線)について、状態図と整合性がある結果が得られました。

 

参考文献値:Binary Alloy Phase Diagrams, 2nd Edition (1992) ASM International, p.29

4.まとめ

・ろう材として3種のAgCu合金を測定しました。その結果、測定値と文献値は一致していました。
・ろう付け工程において、ろう材の固相線、液相線を正確に把握した上で、ろう付け温度を決めることが重要となります。
 
 本法の適用により、材料開発やろう付け等の工程の設計・管理をご支援いたします。

5.装置

 

NETZSCH

DSC404 F1 Pegasus

NETZSCH

DSC3500 sirius

NETZSCH製 

TG-DTA 2000SE

測定温度

室温~1600°C

-150°C~550°C

室温~1500°C(JIS R型)

5001600°C(JIS B型)

備考

熱量を測定可能

低酸素濃度雰囲気で測定可能

熱量を測定可能

重量変化を測定可能

装置外観

 

 

 

 

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