渦流探傷試験(ET)

KK-0063

1.原理

渦流探傷試験(ET)は、試験体表面あるいは表層近くに存在するきずを検出する場合に適用されます。材質が導電性材料であればすべてに適用可能です。この試験法は、探傷試験以外にも膜厚測定、材質試験、寸法試験にも応用されています。

金属等の導体に、交流を流したコイルを接近させると、電磁誘導により渦電流が発生します。割れなどのきずがあると渦電流分布が変化し、コイルに誘起される電圧が変化します。この変化を検出して探傷します。

製品検査への適用は、形状が単純な管や棒に多用されていますが、熱交換器チューブ、機械部品の保守検査にも使用されています。

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図1 渦流探傷の原理
図1 渦流探傷の原理

2.探傷方法の分類

(1)探傷方式 :製品の形状・大きさ、検出きず部位などで選定

1.貫通コイル:管、棒などを外面から探傷
2.内挿コイル:管を内面から探傷
3.上置型コイル(プローブコイル):平板、溶接部、機械部品などを外面から探傷

(2)検査対象

1.材質:強磁性体、非磁性体
2.検出きず:表面及び表面直下

(3)特殊な渦流探傷試験

1.減肉検査
2.膜厚測定
3.異材判別、硬さ判別
4.アレーET

図2 熱交換器用チューブの内挿ET
図2 熱交換器用チューブの内挿ET

3.実施例

(1)棒の割れきず検査(回転プローブ)
(2)発電所熱交換器の保守検査(内挿コイル)
(3)カーボンファイバーロッドの製品検査(貫通コイル)
(4)鋼板上のプラスチックライニング膜厚測定

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