磁粉探傷試験(MT)・浸透探傷試験(PT)
KK-0062
1.磁粉探傷試験
磁粉探傷試験(MT)と浸透探傷試験(PT)は表面きずを検出する試験です。MTは磁性体(鋼材)の表面あるいは表層近くに存在するきずの探傷に、 PTは金属や非金属の表面開口きずの探傷に適用します。
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(1)磁粉探傷試験の原理
試験体(強磁性体)を磁化すると、試験体中に磁束が流れます。表面または表面近傍に割れなどのきずが存在すると磁束が乱れ、ついには漏洩します。これに磁粉を散布すると、きず部に磁粉が吸着され指示模様が形成されます。この模様は実際のきずよりも拡大されていますので、目視観察でも精度高く検出できます。
(2)探傷方法の分類
1.磁化方法 : 極間法、コイル法、プロッド法、軸通電法等
2.磁化、試験時期 : 連続法、残留法
3.磁粉の種類 : 蛍光磁粉、非蛍光磁粉(黒色、白色)
(3)実施例
- 1.鉄鋼製品の製品検査
2.鋼溶接部の検査
3.機械部品の疲労割れ検査

2.浸透探傷試験
(1)浸透探傷試験の原理
試験体表面に浸透液を塗布すると、開口したきずに浸透していきます。一定時間経過後に余剰な浸透液を除去し、その後現像液を塗布して、きずから浸透液を毛細管現象により吸い出させます。この模様は実際のきずよりも拡大されていますので、目視観察でも精度高く検出できます。
(2)探傷方法の分類
1.浸透液の観察方法 : 染色法、蛍光法
2.浸透液の除去法 : 溶剤除去性、水洗性
3.現像法 : 速乾式法、湿式法、乾式法
(3)実施例
1.製品のきず検査
2.溶接部のきず検査
3.機械部品の疲労割れ検査(染色法)
4.容器の漏れ検査
