高濃度( ppmレベル)ガス腐食試験
HRM-1906
1.概要
大気中には、排気ガス等から由来する硫化水素H2S、二酸化硫黄SO2、二酸化窒素NO2などの腐食性ガスが存在しています。部品・機器が使用される環境によっては、このようなガスにより腐食されることがあります。耐環境試験として、 IEC、JIS、ISO、ASTM等様々な規格でガス腐食試験方法が規定されています。
当社の高濃度ガス腐食試験機は、ppmレベルの濃度で大気環境をシミュレートした促進試験が行えます。低濃度ppbレベルガス腐食試験は、GH-180VL試験機で実施、HRM-1610をご参照下さい。
2.装置仕様
装置名 | ガス腐食試験機 GS-4型(スガ試験機(株)製) | |
---|---|---|
温度範囲 | 室温~50°C(±1°C) | |
相対湿度 | 60~95%RH(±5% RH) | |
濃度範囲 | H2S | 1ppm ~ 30ppm |
NO2 | 1ppm ~ 20ppm | |
SO2 | 1ppm ~ 30ppm | |
上記範囲外の濃度についてはご相談下さい。 | ||
槽内寸法 | 幅380 mm× 奥行380 mm× 高さ140mm | |
耐荷重 | 3kg (3kg超える場合はご相談下さい) |

3.高濃度ガス腐食試験装置の特徴
・マスフロメ-タ-により規定のガス濃度に調整し試験することが可能です。(試験前にガス濃度測定実施)
・試験ガスは二酸化硫黄(SO2)、硫化水素(H2S)、二酸化窒素ガス(NO2)を使用します。上記ガスの単独および混合ガスによる試験が可能です。
4.試験条件例(関連JIS規格)
試験条件はIEC、ISO,JISなど様々な国際および国内規格があります。試験条件はご相談下さい。
試験規格 | ガスの種類と濃度(ppm) | 温度および湿度 | ||||
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H2S | Cl2 | NO2 | SO2 | |||
JIS C 60068-2-42環境試験方法-電気・電子- 接点及び接続部の二酸化硫黄試験方法(IEC60068-42-Test Kc準拠) |
― | ― | ― | 25±5 | 25±2°C、75%RH 又は40±2°C、80±5%RH | |
JIS C 60068-2-43環境試験方法-電気・電子- 接点及び接続部の硫化水素試験方法(IEC60068-43-Test Kd準拠) |
10~15 | ― | ― | ― | ||
JIS H8502 めっきの耐食性試験方法 | 二酸化硫黄試験 | ― | ― | ― | 10±2,25±5 | 40±1°C,80±5%RH |
硫化水素試験 | 3±1,10±2 | ― | ― | ― | 40±1°C,80±5%RH |
≪試験実績例≫
電機部品(IC基板、チップ、端子、LED、銀板、円筒容器等)めっき製品の耐食性判定鋼板、配管(銅、真鍮、SUS材)家庭用電力計樹脂製品 等
5.試験後の試験片に対する各種解析手法
- 試験前後の試験片の重量測定(重量の増減)
- 腐食生成物の観察及び元素分析(SEM、EDS、EPMA)
- X線回折(XRD)による形態分析
- XPS、AES、GD-OESによる表面および深さ方向分析
- 試験片断面観察による腐食深さの評価
- FT-IRによるゴム、樹脂などの劣化調査