粉体材料の物性評価

HRM-1903

1.粉体物性評価の重要性

粉体とは多数の固体粒子の集合体で、個々の粒子間には何らかの相互作用力が働いています。粉体は、食品,化学,医薬他の様々な工場において、原料,中間製品,製品として存在し日常生活に密接に係わっています。流体とも固体とも異なる独特な挙動を示すことがあり、粉体を理解するにはその物性を評価することが重要です。
・一次物性:構成粒子の性質
・二次物性:粒子集合体としての性質

動的光散乱光度計(粒度分布・ゼータ電位測定)
                        動的光散乱光度計(粒度分布・ゼータ電位測定)

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2.粉体物性評価項目

一次物性測定評価手法

一次物性測定 概要 測定手法
粒度分布測定 ナノオーダーの超微粒子からミリオーダーの粒径の測定 ふるい分け法
レーザー回折法
動的光散乱法
形状、表面観察 粒の形状や細孔構造を画像から直接観察できます SEM、レーザー顕微鏡、デジタルマイクロスコープ等
密度(比重)測定 真密度・見掛け密度 気体置換法
比重瓶法、液中ひょう量法
かさ密度(タップ密度) 漏斗法(JIS Z2504,ASTM B212)
マルチテスター(タップ密度法)
(JIS Z2512,ASTM B527,局法等)
比表面積測定 細孔内表面積を含む全表面積や外部表面積の測定 ガス吸着法
ブレーン空気透過法
細孔分布測定 0.35~500nm細孔径の分布や全細孔容積の測定 ガス吸着法
粉砕性評価 石炭及びコークスの粉砕性評価 ハードグローブ粉砕性指数(HGI)測定
(JIS M 8801)
溶融特性温度測定 初期設定温度~1670°C迄の灰の軟化点・融点・溶流点測定 溶融特性温度測定法
(JIS M 8801、ASTM D1857)

二次物性測定評価手法

二次物性測定 概要 測定手法
分散・凝集測定
  • 凝集度、分散度、均一度
  • コロイド粒子としての分散・凝集性、また表面改質の指標となるゼータ電位測定
マルチテスター
ふるい分け法
ゼータ電位測定
充填性評価
流動性・噴流性評価
ゆるみ(ゆるめ)かさ密度、固めかさ密度(タップ密度)安息角、崩壊角、スパチュラ角等 漏斗法
(JIS Z2504,ASTM B212)
マルチテスター

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