粉末X線回折法のご紹介
HRM-1616
1.X線回折法(XRD)とは
固体には原子が規則正しく並んでいる「結晶」とランダムに並んでいる「アモルファス」があります。結晶性物質の多くは、宝石のように一つの結晶(単結晶)ではなく、小さな結晶の集合体です。
結晶に電磁波の一種であるX線を照射すると、結晶格子でX線が回折されます。この現象を利用した分析法がX線回折法であり、結晶の形は結晶内で原子がどの様に配列しているかがわかります。粉末X線回折法の対象試料は、鉱物、金属など小さな結晶の集合体であり、結晶がバラバラな方向を向いていることが前提条件です。
X線回折法により得られるデータを回折パターンと呼び、縦軸を散乱強度(countsまたはcps(counts/second))、横軸を回折角度(20)で表示します。結晶成分はピーク、アモルファス成分はブロードなハローパターンを示します。

2.試料形状と測定方法
試料 形状 |
測定方法 | |
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粉状 試料 |
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固体 試料 |
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試料の切断等の加工も承ります。ご相談ください.
3.装置紹介
型式 | 1.RINT1500(リガク製) | 2.RINT2500(リガク製) | 3.X‘PERT PRO MPD(パナリティカル製) |
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最大出力 | 18kW | 18kW | 1.6kW |
管球 | Cu 回転対陰極型 | Mo, Cu, Co 回転対陰極型 | Cu 封入管 |
検出器 | シンチレーションカウンター | シンチレーションカウンター | シンチレーションカウンター、一次元検出器 |
アタッチメント | ー | 標準アタッチメント 多目的(集合組織)アタッチメント |
標準アタッチメント、 高温測定アタッチメント、 残留応力アタッチメント、 モノキャピラリ (φ100μm)、 多層膜ミラー多目的ステージ、 CCDカメラ |

4.X線回折法による様々な分析
相組成分析(定性分析)
- 多成分系の相組成分析 ▶HRM-1617 X線回折法による相組成分析
- 微量試料、異物、析出物等の相組成分析
- 高温下での形態変化
- 凸凹面、湾曲面の測定
斜入射X線分析
- X線を低角度で入射し、数μmの皮膜成分特定
定量分析
- 結晶化度分析 ▶HRM-1012 XRDを用いた結晶化度測定