X線トポグラフによるIII-V族窒化物結晶の結晶欠陥評価事例
FTM-1617
GaAsウェハの透過X線トポグラフ像と評価

図1は2インチGaAsウエハの評価事例です。X線の吸収が大きい元素を含んだ結晶の場合でも、転位密度が下がって完全結晶に近くなると、X線の異常透過が起こってウエハ内部の観察が可能になります。このウエハの転位密度は1E3/cm2台ですが、ウエハ表裏面に貫通する転位が黒いコントラストとして観察されております。
GaNウェハの透過X線トポグラフ像と評価

図2は約10mm角のGaNウエハの評価事例です。A, Bのウエハ厚は同じですが、BはX線が透過してウエハの内部構造がわかる一方で、AはX線が透過しません。
図3のKOHエッチングの結果から、AはBに比べて転位密度が高いことがわかります。
この結果から、GaNの場合転位密度がおおむね1E5/cm2以下になると、異常透過が起こってウエハ内部の観察が可能になることが確認できました。
発表:第76回応用物理学会秋季学術講演会(2015年) 13p-1D-4