FIB試料を用いたTEM分析~自動車用ホットスタンプ材への適用事例~

RSM-2503

1.概要

集束イオンビーム-走査電子顕微鏡(FIB-SEM)は、FIBによる微細加工とSEMによる高分解能観察ができる複合装置です。また、透過電子顕微鏡(TEM)観察用薄膜試料を作製できるため、目的に沿った微小領域の観察・分析、結晶構造解析をおこなう際に役立ちます。

評価に用いた透過電子顕微鏡法(TEM),走査透過電子顕微鏡法(STEM)はこちらから 

集束イオンビーム加工(FIB)はこちらから

2.事例;自動車用ホットスタンプ材におけるFe/Al界面部のSTEM-EDS分析

●FIBによる観察目的箇所のサンプリング方法

バルク材からのFIBによるサンプリング方法は断面サンプリングと平面サンプリングから選択できます。
本事例はFig.1に赤枠で示した明瞭な界面が認められる箇所を調査するため、平面サンプリング(Fig.2)によりTEM観察用薄膜試料を作製しました。

Fig.1 ホットスタンプ材表層の断面SEM像                

Fig.2 FIB平面サンプリング概略図

 

●FIB加工により作製した薄膜試料の観察とEDSによる元素分析

FIB加工により作製した薄膜試料は<100nm程度と薄く、バックグラウンド信号が軽減されるため、局所的な分析も可能です。

Fig.3に示すSTEM-EDS元素マップ重複画像にはアルミめっき/鋼板界面部で元素の相互拡散により形成した合金相が層状に存在していることが確認されます。その他、TEM観察技法を駆使することで目的に寄り添ったデータのご提供が可能となります。

Fig.3 STEM-EDS元素マップ重複画像

 

 

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