コンクリート内の鉄筋腐食調査(鉄筋腐食センサー)
KK-2201
1.概要
コンクリート内の鉄筋の腐食状況を調査するために、鉄筋の自然電位、分極抵抗、コンクリートの電気抵抗率を測定いたします。また、現場や実験室で使用できるポータブル型の鉄筋腐食センサーを装置販売しています。
2.測定原理
コンクリート中の鉄筋腐食診断方法として、下表に示す3つの方法があります。
鉄筋腐食診断方法 | 説明 | 測定値と診断例 | |
---|---|---|---|
鉄筋の自然電位 | 基準電極に対する鉄筋の自然電位を測定することにより、腐食の可能性を推定します。 | 自然電位:貴(高い) | 自然電位:卑(低い) |
腐食している可能性が低い | 腐食している可能性が高い | ||
鉄筋の分極抵抗 | 鉄筋の腐食速度と反比例の関係にある分極抵抗を測定します。 | 分極抵抗:高い | 分極抵抗:低い |
鉄筋表面の腐食抵抗性が高い(腐食しにくい)状態 | 鉄筋表面が腐食抵抗性が低い(腐食しやすい)状態 | ||
コンクリートの電気抵抗率 | かぶりコンクリートの電気抵抗率を測定して腐食リスクを評価します。 | 電気抵抗率:高い | 電気抵抗率:低い |
鉄筋の腐食リスクが低い | 鉄筋の腐食リスクが低い |
右図のように、はつり出した鉄筋にケーブルを接続し、コンクリート表面にプローブを設置させ、プローブ下面の対極から内部の鉄筋に向かって微弱な周波数の異なる交流電流を流した時の電位変動を測定します。高周波数でかぶりコンクリートの抵抗、低周波数で鉄筋の分極抵抗を測定します。

3.実構造物の調査事例
事前に鉄筋探査を実施し、鉄筋の直上にプローブを設置して測定を行います。測定電流は内部の鉄筋に向かって分散して流れます。配筋状況をモデル化し、BEM(境界要素法)で電流分布シミュレーションを実施し、測定値から鉄筋の分極抵抗とコンクリートの電気抵抗率を算出いたします。
4.鉄筋腐食センサー(CM-SE3)販売
鉄筋腐食センサー(CM-SE3)を販売しています
- サイズ;W105× H48 × D153.9mm
専用ソフトケースに入れて首からぶら下げて測定可能なコンパクトサイズです。 - ・リチウムイオン電池を搭載し、充電が可能
*乾電池でも使用できます。 - PCとUSB接続し、測定データの転送が可能
