コンクリートの中性化深さの測定

KK-0044

1.概要

コンクリートは強アルカリ性であることから、鋼材(鉄筋)は不動態皮膜を形成していますが、中性化によりpHが低下すると不動態皮膜が不安定になり、腐食しやすくなります。中性化は空気中の炭酸ガスが主原因であるので、コンクリート表面から進行します。
中性化が鉄筋位置にまで達すると、鉄筋が腐食するので錆を生じ、体積膨張によりコンクリートに亀裂を生じ、劣化が深刻化します。
コンクリートの中性化深さを測定するには、フェノールフタレイン溶液による呈色反応を利用します。簡便な手順で定量的な情報が得られるため、フェノールフタレイン法が多く用いられています。

図1 フェノールフタレインのpHによる構造変化
図1 フェノールフタレインのpHによる構造変化

2.フェノールフタレイン法の原理

フェノールフタレインは、pH指示薬の一種で、その呈色反応によりアルカリ性の検出に用います。セメント硬化体中の水酸化カルシウム:Ca(OH)2に反応し、ピンク色を呈します。

フェノールフタレイン法の原理

コンクリートにフェノールフタレイン溶液を噴霧しますと、アルカリ度の高い未中性化部は、ピンク色に変色します。色が変化しない部分を中性化部と判断します。

図2 コアを用いた中性化深さ測定
図2 コアを用いた中性化深さ測定

3.中性化の検出方法

中性化深さを測定する方法は 1.コンクリート表面のはつり部、 2.採取したコアの側面・割裂面、 2.ドリル削孔粉 にフェノールフタレイン溶液を噴霧し、発色した部分から表面までの深さを測定します。 ドリル法の場合は、ドリル削孔粉が落ちる位置に、フェノールフタレイン溶液を染み込ませたろ紙等を設置します。ドリルで削孔を開始し、落下した粉が変色した時点で直ちにドリルを停止し、その際の孔の深さを中性化深さとします。

図3 ドリル法による中性化深さ測定
図3 ドリル法による中性化深さ測定

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