コンクリートコアの圧縮強度試験
KK-0042
1.概要
コンクリート構造物は、コンクリートの強度、特に圧縮強度に基づいて設計され、また、コンクリート構造物の劣化による物理特性の変化は圧縮強度に関連しています。このため、コンクリート構造物の劣化を診断する場合は、圧縮強度の把握が極めて重要となります。供用中のコンクリート圧縮強度は、施工状況や環境状況等により、施工時のデータとは異なっています。構造物の部位や位置によっても圧縮強度に差異があります。このため、実構造物からコアサンプルを採取して、圧縮強度試験を行います。
2.圧縮強度試験に必要なコアサイズ
1.コア供試体の直径は、粗骨材の最大寸法の3倍以上とします(通常φ100mm)。
2.コア供試体の高さと直径との比は、1.90~2.10とし、どのような場合においても1.0超とします。

3.コアの採取
1.コアの採取には、コンクリート用コアドリルを用います。
2.鉄筋探査器を用い、鉄筋がない箇所から採取します。
3.打継ぎ面、型枠際をさけて採取します。
4.コア採取跡は補修材で修復します。
4.コアの成形
1.コア供試体の端面とコアの軸とのなす角度が、90°±0.5°になるように成形します。
2.コア供試体の両端面仕上げおよび平面度は、JIS A 1132の4.5によります。
5.圧縮強度試験
コンクリートから採取したコアの圧縮強度試験を行います。適用規格 : JIS A 1107「コンクリートからのコアの採取方法及び 圧縮強度試験」
高さと直径との比(h/d) | 補正係数 | 備考 |
---|---|---|
2.00 | 1.00 | h/dがこの表に表す値の中間にある場合、補正係数は、補間して求める。 |
1.75 | 0.98 | |
1.50 | 0.96 | |
1.25 | 0.93 | |
1.00 | 0.87 |

(補正係数は、補正後の値が40N/mm2以下のコンクリートに適用)
また、圧縮強度試験とあわせて静弾性係数試験も行うことが出来ます(この場合、直径の2倍以上のコア長さが必要です)。