コンクリートの劣化診断 (強度、中性化、塩分、シュミットハンマー)
KK-0041
1.圧縮強度試験
(1) シュミットハンマー法
シュミットハンマー法は、コンクリートの圧縮強度を非破壊的に試験するものです。鋼製ハンマーの反撥度から圧縮強度を推定します。(図1)
(2) 圧縮試験
コンクリートから円柱状のコア・サンプル(通常100mm径)をドリルにより採取し、圧縮試験機で圧縮強度を測定します。

2.中性化試験
コンクリートは打設時には強いアルカリ性であり、塩化物はセメントによって不溶性塩化物に固定されており、鉄筋の腐食を促進する恐れはありません。しかしコンクリートは大気中の炭酸ガスにより表面から中性化が進み、中性化が進むと不溶性塩化物は再び可溶性塩化物に変化し、鉄筋の腐食を促進することになります(図3)。
中性化の進行状況を調べるには、コンクリートから円柱状のコアを採取して、フェノールフタレイン溶液でpHを測定します。(図2)


3.塩化物試験
コア採取あるいはドリル穿孔したコンクリート試料を、化学分析により試験します。コンクリートの表面から内部に向かって塩化物含有量の分布を測定します。
4.ミクロ的な詳細調査
EPMA分析(Electron Probe MicroAnalysis)により、詳細な元素量の分布を調査できます。これによりコンクリート劣化原因を追求できます。
5.劣化の判定
コンクリートの圧縮試験、中性化深さ、塩化物量や分布状況、鉄筋の腐食状況等を総合的に考察し、構造物としての健全性を診断します。