腐食・孔食・浸食原因調査
HRM-1615
1.概要
金属の‘腐食(コロージョン)’とは、酸化還元反応により表面の金属が電子を失ってイオン化し金属面から脱落して行くことで進行します。異種金属が接触している部位はガルバニ電池を形成する為に腐食を加速する要因になります。この異種金属接触による腐食を電解腐食(ガルバニックコロージョン、電食)と呼びます。
‘孔食(ピッティングコロージョン)’とは,金属内部に向かって孔状に進行する局部腐食をいいます。開口部の直径に対して深さが大きい場合を孔食と称することが多く、全面腐食と異なり腐食量は小さいが,事故につながりやすいという特徴があります。表面の不動態皮膜が破壊されて発生するもので、塩化物イオンを含む環境ではステンレスでも発生します。
‘浸食(エロージョン)’とは,固体、液体および気体が材料との相対的動きや衝撃的な繰り返し作用に よって生ずる機械的力によって材料表面を変形・劣化させる摩耗的浸食をいいます。比較的高速の液流れに接する機械や装置などの構成材料に発生します。
一口に腐食と言っても様々なタイプがあります。タイプ別の腐食・孔食・浸食原因調査事例をご紹介します。
2.電解腐食(ガルバニックコロージョン)事例
エルボの破孔原因調査
配管の一部に銅管が使用されており、銅イオンを含んだ水が流れ、管内面に金属として析出したことで局部的に電池が出来て発生した事例です。

3.孔食事例
加熱管の漏えい原因調査
塩化物イオンによる孔食の事例です。
本例では、腐食部断面に腐食促進作用のある塩素の濃縮が認められます(図.8)。

4.浸食事例
給湯用熱交換器の浸食(破孔)原因調査
銅管の浸食(破孔)事例です。
