熱拡散率測定(フラッシュ法)の紹介

HRM-1607

1.熱拡散率とは

熱物性の一つである熱拡散率(α)(単位mm2/s)は温度拡散率とも呼ばれ、材料の熱の伝わる速さの指標であり、熱膨張係数と並んで重要な熱物性値の一つです。当社では、レーザーフラッシュ法あるいはライトフラッシュ法による様々な熱拡散率測定が可能です。

熱伝導率(入)=比熱(Cp)× 熱拡散率(α)× 密度(p)
単位:(入:W/(m・K))=(Cp:J/(g・K))× (α:mm2/s)× (pg/cm3)

 

フラッシュ法を用いた熱拡散率・熱伝導率測定に関する技術紹介はこちらから

2.フラッシュ法の原理

円板形の試料の下方向からパルス光を照射し、均一に加熱します。
試料上面に生じた、温度変化を赤外線検出器によって読み取り、温度上昇曲線を得ます。
得られた温度上昇曲線に、周囲への熱損失やパルス幅の補正を行い(理論モデルを当てはめ解析することにより熱拡散率を算出します。

原理図

3.測定例

4.装置仕様

  低温用装置 高温用装置
装置外観 低温用装置 高温用装置
(1)装置名 NETZSCH製 LFA447Nanoflash NETZSCH製 LFA457Microflash
(2)測定方式 ライトフラッシュ法 レーザーフラッシュ法
(3)測定項目 熱拡散率 (厚み方向・面内方向)
二層・三層モデルの熱拡散率測定(事前相談要)
熱拡散率(厚み方向・面内方向)
(4)温度範囲 25°C~300°C 室温~1100°C
(5)測定レンジ 0.1mm2/s~1000mm2/s 0.001mm2/s~1000mm2/s
(6)雰囲気 大気静止雰囲気 アルゴン雰囲気100ml/min
(7)試料形状 6mmΦ、8mmΦ、10mmΦ、10mm角、12.7mmΦ、25.4mmΦなど様々な形状に対応 6mmΦ、10mmΦ、10mm角、12.7mmΦ、25.4mmΦ、面内測定用は、27mmΦ、1mm厚以下
厚みは、最大3mm(試料物性により最適厚みは異なります)

※試料の加工等、お気軽にご相談下さい

5.装置特長

低温用装置
  • 短いパルス幅と有限パルス幅補正により、薄い試料も精度よく測定
  • チラー水での冷却により、25°Cからの測定
  • ラメラ用ホルダーにより、厚みのある樹脂等の面内方向の熱拡散率測定
  • 専用のアルミニウム製容器を使う事により、三層モデルとして液体・粉体の測定(試料の密度及び比熱値が必要)
高温用装置
  • 真空置換によるガス置換
  • In-plane用ホルダー使用による、高熱拡散率測定、薄膜の面内方向測定(最高温度300°C、異方性試料は厚み方向の熱拡散率値が必要)
図.各試料ホルダー写真

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