高温引張試験の解説と鋼の評価事例
HRM-1215
1.高温引張試験の特徴
加熱炉を使用することにより高温(室温~1,100°C)で引張試験が可能です。(下の装置写真、東京衝機製RUE-TK18A の試験温度は、室温、120°C~950°C) ※試験片平行部3箇所に熱電対を取付け温度制御を行います
2.装置試料例と準拠標準
型式 | RUE-TK18A((株)東京衡機製 |
装置レンジ |
6 ,15 ,30 ,60 ,150 ,300 [kN](計6レンジ) |
載荷機構 |
油圧式 |
温度範囲 |
室温、120°C~950°C |
準拠標準 |
JIS G 0567、ASTM E 21等 |

写真1 高温引張試験機全景
写真2 高温引張試験機 加熱炉拡大
3.試験材寸法
■JIS G 0567 鉄鋼材料及び耐熱合金の高温引張試験方法 属書Aに規定する板状及び丸状試験片
平行部径12mm以下(JIS G 0567 表A.4 つば付き試験片等)
★耐力・応力-歪み曲線検出は、つば付き試験片を推奨

写真3 つば付き試験片の例
4.事例;鋼材の高温引張試験
・試験条件
- 試験温度;室温、400°C、600°C、800°Cの4水準
- 評価項目;0.2%耐力、引張強さ
・試験結果
0.2%耐力と引張強さの測定結果を、表1および図1、図2に示します。
このように、試験温度を変化させることにより、高温における材料特性の変化を評価できます。