X線回折法による結晶化度測定
HRM-1012
1.X線回折法による結晶化度測定の原理
結晶質と非晶質が混在している試料の結晶質割合(結晶化度)は、X線回折法によりを求めることが可能です。
図1に示すように結晶質による回折線はピークとなり、非晶質による散乱光はハローとして検出されます(図2)。
このハローと結晶性ピークのフィッティングを行い、各強度を解析することで結晶化度を算出することができます。


≪測定≫
1.試料を乳鉢で10μm程度にまで粉砕し、試料ホルダーに充填します。
2.回転させながら測定します。試料を回転させることにより、配向の影響を軽減でき、再現性の良い結果が得られます。
≪解析≫
結晶質部分(ピーク)と非晶質部分<ハロー>のフィッティングを行い、各積分強度を以下の式に当てはめて結晶化度Xを算出します。
≪結晶化度の算出式≫

X線回折法(XRD)の技術紹介はこちらから
2.測定試料の条件
- 回転測定のため試料は粉末で1g以上必要
- 測定対象物質:無機材料一般 (例) 非晶質SiO2中の結晶質 SiO2含有量等
- 結晶成分と非晶成分を構成する化学組成は同一であること
- 配向していないこと
- 非晶成分による干渉性散乱強度曲線の形状が確定できること
※測定精度は試料条件によって異なりますので、お気軽に相談下さい