透過電子顕微鏡(TEM)による転位密度の定量
FTM-1621
概要
転位は各種材料の強度や靱性を考えるうえで、大きく寄与しています。転位密度の測定方法としては一般にXRDとTEM(Transmission Electron Microscopy, TEM)を用いて測定されており、TEMの場合は可視的に転位の並びや状態を観察しながら、転位量を実測し、膜厚測定も行うことで、より正確な転位密度の測定を行うことが可能です。
TEMによる転位密度評価の特徴
(1)転位の状態(セル化や析出物と絡んでいる様子等)を可視的に観ながら、実測が可能。
(2)電子エネルギー損失スペクトル(EELS)を用いた膜厚測定により、精度の高い測定が可能。
(3)微細な領域内(1μm以下)や相を分離しての測定が可能。
(4)XRDでは測定が難しい、転位密度が低い材料でも測定が可能。
(5)同方法にて、微細析出物等の析出密度測定も可能。
事例;鉄鋼中の転位密度評価とEELSによる膜厚測定
鉄鋼中の転位を観察し、転位密度を定量的に測定した例で、EELSによる膜厚測定を行うことで、より精度の高い転位密度測定を行っています。
