カーボン抽出レプリカ法による析出物のTEM観察
AMM-1702
1.カーボン抽出レプリカ法とは?
カーボン抽出レプリカ法は、鋼中に存在する微細な析出物や介在物を母相から抽出する試料製作法です。得られたレプリカ膜をTEM観察すると、金属組織に対応した析出物の分布や形態を知ることができます。また本製作法によるレプリカ膜は母相の情報を持たないため、析出物そのものの元素分布や電子回折像により、定性・定量分析や同定解析を行うことができます。
2.試料作製手順
(1)埋込試料を研磨する。
(2)母材成分に適した腐食液で腐食を行う。
(3)腐食面へカーボンを蒸着する。
(4)析出物を溶かさずに母材のみを溶出させる剥離液へ浸漬させる。
(5)剥離、浮遊してきたレプリカ膜を洗浄する。
(6)グリッド上に採取する。

3.調査事例;9%Cr鋼時効材の溶接熱影響部の析出物
