各種材料(固体,粉体)の密度及び比重測定(真密度・見掛け密度・かさ密度)

STM-2101

1.概要

固体や粒子の密度は、「真密度」「見掛け密度」「かさ密度」など、定義の異なる複数の密度が存在します。
密度とは、試料の単位体積に含まれる質量(単位例:kg/m3)をいい、比重とは、試料の質量と、それと同体積の圧力1013.25hPaのもとにおける4°Cの純粋な水の質量との比(単位なし)をいいます。

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密度及び比重測定

2.真密度(真比重)測定

真密度(真比重)測定は、開細孔等が無くなるように試料をよく粉砕し、ゲーリュサック型比重瓶(ピクノメータ)法を用いて測定します。試料の空隙を完全に液体で脱気置換し、その重量と体積の関係を計算し、真密度(真比重)を求めます。

該当規格
JIS K 0061「化学製品の密度及び比重測定方法」
JIS K 2151「コークス類-試験方法」
JIS Z 8807「固体の密度及び比重の測定方法」

3.見掛け密度(見掛け比重)測定

見掛け密度(見掛け比重)測定には、1.液中ひょう量法,2.ルシャテリエ比重瓶法,3.液浸法が適用されます。

測定方法 概要 特長 参照規格
1.液中ひょう量法
(天びん法)(図1参照)
試料を空気中及び密度が既知の液体中で、天秤を用いて、質量及び浮力を測定し、これから密度を求める。 高精度な測定
大型試料にも適用可能
微粉末には不適当
JIS K 0061
「化学製品の密度及び比重測定方法」
JIS Z 8807
「固体の密度及び比重の測定方法」
2.ルシャテリエ
比重瓶法(図2参照)
セメントの密度試験法
(JISR5201)に採用されている。ルシャテリエフラスコの目盛0~1ml(目盛線C)まで浸液を満し、次に試料100gを入れ振とうして空気を追い出したのち液面(目盛線D)を読む。
操作が簡便。(試料の体積が直読みできる)
セメント、粒径が数mm以下の粒状
品または粉末
必要試料量:200g以上
JIS R 5201
「セメントの物理試験方法」
3.液浸法(簡易法) 試料をメスシリンダー中の水等に沈め、試料投入前後の液面の変化より試料体積を測定し、試料重量より算出する。 試料の体積が直読みできる
コークス・石炭
その他粒状品又は粉末
日本粉体工業技術協会規格 SAP 02-82
「造粒物の見掛け密度測定方法」
図1.液中ひょう量法イメージ図
図1.液中ひょう量法イメージ図
図2.ルシャテリエ比重瓶法
図2.ルシャテリエ比重瓶法

4.かさ密度(かさ比重)測定

容器に「ゆるく」充填した場合の「ゆるみ(ゆるめ)かさ密度」と,容器をタッピングしながら充填した「固めかさ密度(タップ密度)」があります。

  対応規格 銘柄
ゆるみ(ゆるめ)
かさ密度
JIS Z 2504 金属粉
ASTM B212 金属粉
固めかさ密度
(タップ密度)
JIS Z 2512 金属粉
局法 粉末状医薬品
JIS K 5101-12-2 顔料
JIS R 1628 ファインセラミックス
図3.かさ密度測定イメージ図
図3.かさ密度測定イメージ図

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